IRCA-マネジメントシステム審査員/監査員の国際登録機関 > 専門情報 > ソートリーダーシップ > トップマネジメントの関与がなかったら

トップマネジメントの関与がなかったら

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップマネジメントの関与がなかったら

Photo credit: LewisTsePuiLung

>>quality.org 掲載の原文記事はこちら

今回ご紹介するジレンマでは、英国のIntegral 社のコンプライアンス責任者であるChris Achillea氏が、品質マネジャーが上級経営チームにマネジメントシステムのオーナーとして責任をもつように促す方法を説明しています。

ジレンマ

全国規模のサービス提供組織の品質マネジャーが、上級経営チームが出席する四半期ごとの正式なマネジメントレビュー会議を予定しています。上級経営チームは、組織のトップマネジメントチームを代表する業務責任者と機能責任者で構成されています。

カレンダー内で議題を募集し、すべての参加者に事前作業を通知し、会議で議論するために、それぞれの部門が関連するインプットとデータを持ち寄るための要求事項を伝えました。これらのインプットには、部門内の主要なリスクや課題、顧客からのフィードバック、各部門で進行中の変化などが含まれますが、これに限定されません。

会議に先立って、出席者全員に数回にわたりリマインダーを送付し、その際には、本来の参加者が出席できない場合には、代理の人を出席させるように注意書きも添えました。

マネジメントレビュー会議当日、代理の出席者もいない欠席者が複数いました。また、出席者の中には会議で議論するために必要な準備ができていない人もおり、マネジメントレビューのための情報を提供し、マネジメントシステムが機能しているかどうかを確認するのは品質マネジャーの役割だろうと述べました。

ここには多くの課題がありますが、この問題を未然に防ぐためには何をすればよかったでしょうか。

解決策

マネジメントシステムの有効性と責任は、組織内のすべての人に掛かっています。トップマネジメントには、マネジメントシステムの有効性について積極的に指導し、説明責任を負うことが求められています。ISO 9001:2015規格 (及び附属書SLの上位構造に沿った他のISO 規格) の箇条5では、マネジメントシステムという文脈におけるトップマネジメントへの要求事項が述べられています。

品質マネジャーがこの問題に取り組むには、いくつかの異なるアプローチをとることができます。まずは、なぜ上級経営チームのメンバーが、マネジメントレビュー会議 (それからより広くは、マネジメントシステム) にインプットを提供することが自分たち自身の役割であると考えていないのか、その理由を理解することが重要です。

これは、上級経営チームがマネジメントシステムに対する義務を認識していないためかもしれません。そのような場合、品質マネジャーは上級経営チームと方針検討会議を開催し、上級経営チームがマネジメントシステムにコミットし、そしてマネジメントシステムをリードするためにどのような義務を負っているかを理解してもらうことができるでしょう。出席してもらえないという問題があるときは、ビデオ/ 電話会議により実施したり、あるいは上級経営層の義務やなぜこれが大切なのかを概説する文書により実施することもできます。

上級経営チームの義務としてだけではなく、マネジメントシステムが組織にメリットをもたらすこと、そして、そのためにはマネジメントレビューがなぜ欠かせないのかを理解してもらうことも必要です。このように、マネジメントシステムが組織にもたらすメリットを上級経営チームと一緒に再検討することで、オーナーシップが欠如した状態から、積極的なリーダーシップへと変わっていくようサポートすることができるかもしれません。

以上を進める上で、品質マネジャーは、マネジメントシステムを支援し、積極的にリードしている上級経営チームのメンバーのだれかにアプローチし、応援してもらうこともできるかもしれません。上級経営層の中に品質マネジャーの応援団がいれば、「テーブルにほかの人を連れてきて」もらえる可能性も高まります。

マネジメントシステムの中核をなす要求事項はリーダーシップです。積極的かつ深く関わるリーダーシップがなければ、効果的なマネジメントシステムを実現することは、途轍もなく困難な仕事になります。

※IRCAの各詳細は下記よりご確認頂けます。

CQI レポート The Future of Work 未来の働き方
IRCAテクニカルレポート:ISO22000:2018