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シャーロック・ホームズに学ぶ

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シャーロック・ホームズに学ぶ

シャーロック・ホームズの物語は、130年以上も前に発表された小説にもかかわらず、今でも探偵小説の代名詞となっています。シャーロック・ホームズからリーン・シックスシグマの実施者は何を学べるかについて、CQIのコーポレートパートナーの1つ、カタリスト・コンサルティングのJo Dowdallが検討します。

quality.org に掲載の英文記事はこちら

ちょうどベーカー街221bの角を曲がったところにある組織が顧客だったことがあります。ご存じのとおり、ベーカー街221bとは、有名な探偵小説の主人公、シャーロック・ホームズが住んでいたところです。

シャーロック・ホームズが最初に世に出たのは1887年ですが、ホームズと彼を主人公とするミステリーの人気は未だに衰えていません。人々はどうしてミステリーが好きなのかということを説明する理論はたくさんあります。魅力の1つは、探偵小説やドラマの謎解きプロセスにあります。探偵小説やドラマでは、謎がどのように解明され、謎の解明のためにどのような方法が使われたかについて知ることができます。これがおもしろいのです。そして、実は、この世界最初の私立顧問探偵からリーン・シックスシグマ実務者が学べることはたくさんあるのです。

それでは、さっそく捜査を始めましょう。

先入観を捨て去るべし

ホームズは、客観性を保ち、心を開いて、安直に結論に飛びつかないようにすることの重要性を示しています。ホームズは、「個人的な先入観によって、判断がゆがめられないようにすることがまず重要だ」と言います。分析を行う前に、プロセスの問題の原因について結論に飛びつく人がときどきいます。では、それを避けるためにはどうするか、次のポイントへと話が進みます。

データを使え

「データ! データ! データだ!」と、『ぶな屋敷』の作中でホームズは叫びます。「粘土がなくては、煉瓦はつくれない」。ものごとを観察し、情報を集めることからホームズはスタートします。そして、「すべての証拠を集める前に理論化するのが、そもそもの間違いだ」と述べます。実際に何が起こっているかを理解するためには、適切なデータを用いることが肝要です。

仮説を立てて、テストせよ

謎を解く際に、いくつかの説明が成り立つ場合、ホームズは1つずつ、テストします。『白面の兵士』の中で、「十分な根拠があると確信するまで、1つひとつ、テストを繰り返すのだ」とホームズは言っています。これはまさに、リーン・シックスシグマのプロジェクトの「分析」のフェーズで使われるアプローチであり、チームはプロセスに与える影響に関して考えられる原因を、その関与を十分に裏付ける証拠が見つかるまで、テストを続けるよう奨励されています。

集中せよ

時間を掛けて分析することが大切です。『バスカヴィル家の犬』で、ホームズのパートナーであり、物語の語り手であるワトソン博士は次のように言います。「私の友にとって、心を真剣に集中させる時間を取るために、隔絶し、1人でいることが非常に大切なのです。その間に、彼は証拠の1つひとつの切れ端を検討し、代替理論を立て、それぞれを秤にかけ、どのポイントがもっとも重要で、どのポイントは些末なのかを決めます」。リーン・シックスシグマでは隔絶し、1人でいることは奨励されませんが (実際は逆です)、時間を掛ける意味はあります。投資として考えてみると、問題の真実の原因を特定するために掛かる時間は、その問題を再検討するために掛かる時間より、間違いなく少ないでしょう。

チームメンバーを使え

ホームズは心の機微に疎いので、ワトソンのもつ人間的な洞察や人間に関するスキルは欠かすことができません。また、ホームズには、ベーカー街遊撃隊 (情報収集のためのストリートチルドレンのネットワーク) がいて、「どこにでも行き、何でも見て、何でも聞き付ける」 (『四つの署名』) ために利用しています。リーン・シックスシグマのプロジェクトにおいても、知見への人々の参加と関与が不可欠です。問題解決の技術的な側面から、人々と協働し、変化を管理するのに必要なスキルに至るまで、スキルのバランスを取ることも大切です。

己のスキルを磨け

ホームズはワトソンに、教育は終わることがないと言っています。リーン・シックスシグマの実務者は、すべてのプロジェクトに学ぶべき教訓があることに気付くでしょう。実際の経験から学ぶことはたくさんありますが、トレーニング、読書、さらに他の実務者とのネットワーキングからも学ぶことはあります。エクストラオーディナリー・ビジネス・ブッククラブのポッドキャスト (Extraordinary Business Book Club podcast) には多くのインスピレーションがあるのを見つけました。

想像力を大切にせよ

ホームズは論理だけでなく、直観と想像力にも価値を置いています。これらの資質を欠いている人に批判的です。想像力と創造性と同様に本能も大切です。実際、想像力と分析は相対する概念ではなく、補完し合うものです。想像力は分析に役立ちます。例えば、異なる仮説をテストし、データをいろいろな切り口(属性)からフィルタリングして分析する新しい方法 (slice and dice) を開発するためには想像力が必要です。また、結果を表示し、見つけたことを伝達する方法を見つけるときにも使われます。

あきらめるな!

「自分にとってすべてが不利な状況を示す事件ほど、ワクワクするものはない!」 (『バスカヴィル家の犬』)。しかし、あきらめたい気持ちになることだってあります。そんなときは、どうしたらよいでしょうか。問題の内容を再検討し、そもそも解決しようとしていたのは何か、実際の問題を思い起こしましょう。あなたに賛助者や支持者がいれば、それも励ましになるでしょう。

※ この記事の初出はカタリスト・コンサルティングです。

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