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クオリティ 4.0 とは何か (Quality World 2018年10月号より)

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クオリティ 4.0 とは何か (Quality World 2018年10月号より)

クオリティ 4.0 、あるいはインダストリー 4.0 (第4次産業革命) という言葉を聞いたことはあるでしょうか。CQI|IRCA の発行する専門月刊誌、Quality World の2018年10月号より、デジタル技術により促される産業やクオリティにおける、クオリティ 4.0と呼ばれる変革に関する記事をご紹介します。

執筆者: Emzor Pharmaceuticals Industries社のQuality Assurance Supervisor, Chiamaka Igwe

インダストリー 4.0とクオリティ4.0

世界は、インダストリー 4.0 と呼ばれる第4次産業革命、産業のデジタルトランスフォーメーション (「IT の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念) の只中にあります。この革命は、モノのインターネット (IoT)、人工知能 (AI)、ビッグデータ及びクラウドテクノロジーなどの新しいテクノロジーの進歩を特徴としています。

クオリティプロフェッショナルが新しい時代を切り開いていくためには、インダストリー4.0そのものと、インダストリー4.0がクオリティの向上に寄与する可能性について十分理解することが重要です。

LNSリサーチは、インダストリー4.0 のテクノロジーとクオリティの世界との調和がクオリティ 4.0 となり、「クオリティ 4.0は従来からのクオリティの方法と新しいテクノロジーを融合させることで、オペレーション上の卓越性、パフォーマンス、そしてイノベーションに新しい最適をもたらす」としています。効果的なクオリティ 4.0 の戦略は、貧弱なクオリティの文化、データに基づくクオリティの判断、あるいは機能間の意思疎通の難しさといった長年悩んできたクオリティ上の課題の克服を可能とするでしょう。

クオリティ4.0のテクノロジー

クオリティ 4.0 で大きな役割を果たすテクノロジーには、IoT、AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、ブロックチェーン、拡張現実や仮想現実などがあります。

モノのインターネット (IoT) 人、モノ、機械があらゆるところでつながっていること。
人工知能 (AI) 人のように機能し、反応する知的機械。AI は、機械学習 (machine learning: 人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピューターで実現しようとする技術・手法)、機械知覚、コンピュータービジョン及びロボティクスから構成される。
クラウドコンピューティング インターネット経由でアクセスできる1つのダッシュボード上で、多数の情報源からのデータを同期させることを可能にするテクノロジーモデル。
ビッグデータ 傾向とパターンを明らかにするために、コンピュータで分析される、非常に大きなデータセット。
ブロックチェーン 必要なときにすぐに利用できる分散したプラットフォーム上にデータの記録を保持する、リアルタイムのデータ交換ツール (日本語では分散型台帳技術とも呼ばれ、ビットコインなどの仮想通貨はこの技術を利用している)。
拡張現実と仮想現実 実際のオブジェクトとシミュレートされたオブジェクトを使用し、設計と製造のプロセスを向上させるための模擬環境をつくる。

クオリティ 4.0 戦略の可能性

データの利用可能性と透明性

クオリティはこれまでもずっとデータを利用してきました。クオリティ4.0 では、クオリティプロフェッショナルはリアルタイムで複数の情報源から同時に膨大な量のデータが利用できるようになり、迅速で、状況に応じた意思決定が可能になります。特に、ブロックチェーン技術は製造業のサプライチェーン内のデータの透明性とトレーサビリティを向上させます。

アナリティクス

データから有用な洞察をどう引き出すかは、これまでクオリティにおける課題でした。しかし、クオリティ4.0 ではAI、ビッグデータ解析やデータサイエンスなどの入手可能なコンピューティング技術を利用し、有用なデータ解析のための情報処理をします。

接続性の改善

インターネットは簡単に、即座に情報にアクセスすることを可能にしました。IoT、ソーシャルメディアや5Gネットワークなどのネットワークインフラが改善され、人々と機械がつながる範囲が拡大し、より広い範囲の情報が利用可能になります。ソーシャルメディアは、企業がリアルタイムで顧客からのコミュニティフィードバックを得て、クオリティ上の問題を検知し、同じコミュニケーションチャネルを通じて問題が解決したことを顧客に伝達することを可能にしました。

リモート診断及びメンテナンス

センサーを用いて機械の状態をオンラインで監視し、無線で予防保守を実施し、必要に応じサービス要員を派遣します。特に顧客が気付く前にリモートソリューションを利用し、問題を解決すれば、サービスのクオリティを大幅に改善することができます。

先進的なサプライチェーン

ブロックチェーンを使えば、サプライチェーン内の関係者間で情報を素早く共有することができます。ユーザーのアクセス管理と変更不可のデータレコードにより、ブロックチェーンは製造業のサプライチェーン内の透明性とトレーサビリティを改善します。

コンプライアンス管理の変容と文化

クオリティ4.0 は、コンプライアンスの確認を自動化する機会を多数提供します。最新のテクノロジー提供者は妥当性確認を自動化する、高度にコンフィグ可能なツールを提供し、コンプライアンス達成/ 確認の負荷とリスクを軽減します。また、クオリティ4.0を導入することで改善された接続性、可視性、洞察性とコラボレーションによりクオリティの文化を確立できます。

クオリティ4.0の適用事例

クオリティ4.0の概念は未だ広まっているとは言えませんが、気運は高まりつつあります。フォード、ジェネラルエレクトリックやA.P.モラー・マースクなどの先進的な製造業者は、クオリティ4.0へと移行を開始し、製造機器と接続製品の製造工程からのシグナルデータなどの新しいタイプのデータを利用しています。機械学習とクラウドコンピューティングは、クオリティや効率性の改善、コスト削減に寄与します。

2015年に、フォードはクラウド技術を使ったネットワーク、フォード・サービス・デリバリー・ネットワーク (Ford Service Delivery Network)を導入し、カーオーディオ、車載インフォテインメントやナビシステムを遠隔からアップデートすることができるようになりました。

デンマークのコングロマリット、A.P.モラー・マースクはブロックチェーン技術を使って、世界中のコンテナー船を管理し、追跡しています。

ジェネラルエレクトリックは、ニューヨークにあるデジタル接続された、クラウド対応の工場において、IoTセンサーを使って製造工程を監視し、製造効率と製品のトレーサビリティを向上させています。

クオリティ4.0 はすでに現実のものとなっており、組織をよい方向に変えていく可能性があります。クオリティリーダーは、自分たちの組織の既存のクオリティシステムを評価し、クオリティ4.0の革新的な方法が利用可能かどうかを確認し、このテクノロジーの恩恵を享受するための投資に向けて努力するよう、クオリティ4.0の戦略の検討を今にも開始すべきでしょう。

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