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ISO 22458 と Inclusive Service Kitemark ー 脆弱な立場にある消費者を支援する

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ISO 22458 と Inclusive Service Kitemark ー 脆弱な立場にある消費者を支援する

2022年4月に発行されたISO 22458: 2022 Consumer vulnerability — Requirements and guidelines for the design and delivery of inclusive service は、組織がだれに対しても平等にサービスを提供するための要求事項とガイドラインを提供しています。BSIは、このISO 22458 に立脚し、脆弱な立場にある消費者 (vulnerable consumers) を支援するための認証サービス「Inclusive Service Kitemark(インクルーシブ・サービス・カイトマーク)」を立ち上げました。BSIのGlobal Consumer Promise Practiceの Directorであるナターシャ・バムブリッジ (Natasha Bambridge) さんに、Kitemarkが消費者の保護と支援にどのように役立つかについてお話を伺いました。

>quality.orgの英文記事はこちら

脆弱な立場の消費者とは?

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響は生活費の危機的状況と相まって、今や、消費者として脆弱な立場にあると分類される人々が増え、より高いレベルのサポートが必要とされています。

脆弱な立場の人々 (vulnerable people) への支援を支えるため、BSIは、まずエネルギー、水、金融分野の組織を対象に「Inclusive Service* Kitemark」を開始し、脆弱な立場の消費者の支援に関するコミットメントを表明しています。

* 【訳注】inclusive service 包含的サービス。サービスから排除されたり疎外されたりする可能性がある人々を排除することなく、機会や資源への平等なアクセスを提供するサービス。

「私たちだれもが、いつ何時、脆弱な立場になるかもしれず、脆弱な立場の人々の数は増え続けています。昨年、FCA (Financial Conduct Authority 金融行動監督機構) は、脆弱な立場にある人の数が15%増加していることを示す調査を完了しました。つまり、2770万人が自分は脆弱性の特徴を一つ以上持っていると認識しているのです」と、BSIのGlobal Consumer Promise PracticeのDirector であるナターシャ・バムブリッジ さんは述べています。

「これは本当にショッキングな数字です。このような人々を保護し、エネルギー、水、金融のサービスを利用できるようにする認証サービスを提供することは、非常に重要であり、今後数年間でさらに重要性が増すでしょう。

「脆弱性 vulnerablity」という言葉は、目に見える障害だけでなく、精神的な問題や特定のライフイベントなど、さまざまな状況にある人々に適用することができます。

「これらは脆弱性とより容易に結び付けられます。人生における重大な出来事によって、サービスを理解したり、利用したりすることが難しくなった場合もあります。例えば、離婚や死別、経済的な問題なども、短期的に影響を及ぼす可能性があります」とバムブリッジさんは言います。

「脆弱性 とは、私たちのだれもがいつでも影響を受ける可能性のあるものです。自分が脆弱な立場にいるとは思っていなくても、あなたの人生で起こっている何かのせいで、実はその状況は脆弱であると考えられることがあるのです。」

エネルギー、水、金融

Inclusive Service Kitemarkの認証を受けることができる最初の分野は、現在の生活費危機の中で前面に出ているセクター、つまりエネルギーセクター、水と金融です。

「まずこれらのセクターに焦点を合わせたのは、これらが必要不可欠なサービスだからです。これらのセクターでKitemark を開始すれば、より大きなインパクトを与えることができると考えたのです。これは、BSIが社会全体で行いたいことであり、消費者の生活に最も大きな影響を与えるために組織をどのように支援できるかということです。ですから、これらの分野にフォーカスしたのです」とバムブリッジさんは言います。

「これらの分野は、Ofgem (Office of Gas and Electricity Markets 電力及びガス市場局)、Ofwat (Water Services Regulation Authority 水道事業規制機関)、FCA (金融行動監督機構) によって規制されている分野でもあり、これらの分野の企業が弱い立場の消費者をどのように管理しているかは、ここ数年で大きく改善されてきました。私たちは、これらの規制要件をテストすることで、より良い結果を得られると思いました。」

「Inclusive Service Kitemark の枠組みは自発的なものであり、『BS ISO 22458:2022 Consumer vulnerability - Requirements and guidance for the design and delivery of inclusive service 消費者の脆弱性 - 包含的 (インクルーシブ) サービスの設計と提供のための要求事項と指針』に基づいています。組織は、追加要求事項とともに、この規格を社内で実施することになります。私たちはステークホルダーと協力し、スキームを強化し、スキームがこのセクターに適したものになるようにしました。その結果、Kitemark の認定を受けることで、組織のサービスがすべての人にとって公平で柔軟であることが保証されます。

「これらの領域では、罰金が科せられたり、不適切な慣例があることが依然として見受けられます。規制当局から見た事例としては、例えば金融の分野で、『この請求書の支払いに困っています、癌になってしまっており、困っているのです』という人がいて、現場のスタッフがそれを適切に管理できていないというようなことがありますこのようなことが繰り返されると、組織に対する罰金は数百万ドルに達する可能性があります。

「私たちは、各分野の規制当局の要求事項を見直しましたが、規制当局はすでに本当に素晴らしい仕事をしています。KitemarkはISO 22458に基づいて構築されているため、規制当局がISO22458の規格に追加の要求事項を求めている場合は、それらの要求事項を組織の測定基準として盛り込みました。

「例えば、水道事業者は、緊急連絡先として、信頼できる友人や介護者を口座に登録し、危機があったときに助けてもらうことを希望するかどうかを顧客に尋ねる必要があります。これには、支払いの滞納に関する通知の受け取りや請求情報へのアクセスが含まれます。これを含めたのは、組織が第三者による独立した評価を受けていて、規格の要求事項に加えて規制要求事項を満たしているという安心感を与えるためです。

「私たちは、規制当局が求めていることを超えて、これらの組織が弱い立場にある消費者に優れたサービスを提供することを後押ししています」。

認証取得のメリット

Inclusive Service Kitemark の認証取得のメリットは、消費者にとっても、組織にとって明確です。

「私から見て、最大のメリットはアクセシビリティを高め、お客様への害を減らすことです」とバムブリッジさんは言います。「より多くの人が組織とやりとりができて、より良いサービスを受けることができるような方法でサービスが提供されれば、苦情も少なくなり、より多くの人がサービスに接することができるため、顧客数が増える可能性があります。社会的な観点から見ると、その組織のブランドは顧客に対して正しいことをしていることになります。

「社内的な見地から見れば、株主はその組織が正しいことをしているかどうかを知りたがっています。また、多くの従業員は、社会的に正しいことをしている、目的を持った組織で働きたいと考えています。」

Inclusive Service Kitemark は2022年4月に開始されましたが、BSIはまず3つのセクターでそれぞれ5社ずつ、最大15社の顧客と協力し、2023年1月までに15社が最初の認証を取得することを目指します。

「このプロセスで私が見たことのひとつは、これらの組織が互いにサポートし合い、ベストプラクティスを共有し、この分野における脆弱な人々の支援者になることを強く望んでいるということです」とバムブリッジさんは述べています。「ライバルではあるけれど、より大きな利益のために、お互いにサポートしあい、アドバイスしあっているのです。」

 

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