CQI国際クオリティ賞審査委員長のメッセージ
6月1日、第2回目となる2018年度CQI 国際クオリティ賞のエントリーが始まりました。世界各地で所属組織のパフォーマンス改善のために、日々、努力しているクオリティプロフェッショナルをほめたたえたるため、CQI|IRCA はこの国際クオリティ賞を創設しました。2018年からは、審査/監査のプロフェッショナルであるIRCA 登録内部監査員/審査員の方々を対象とする『IRCA Certificated Auditor of the Year Award』も新たに加わります。
CQI|IRCAのミッションは、組織内で働く個人やチームの仕事を支え、ベストプラクティスを敷衍し、ビジネス、公共のセクター、あるいは非営利組織においてクオリティがいかに重要かを世の中に訴えることです。
第1回目、2017年の国際クオリティ賞には、31か国から、約150のエントリーがありました。受賞者の物語は多種多様ですが、受賞者には他の応募者から抜きん出た理由ともいえる際立つ特徴がいくつかありました。
まず、受賞者は己の物語を語っていたということです。自身の経験した試練や苦難、自分の前に横たわる難問を乗り越えようという気力と野心、クオリティを自分の所属する組織の継続的な成功のための重要な要素として捉え、取り組んだ物語です。それだけでなく、受賞者はクオリティについて自分個人としての信念をもち、それを広めることを自分のミッションとしています。
2つ目の際立つ点は、自分が何をしたかということだけでなく、それをどのように振り返り/測定したかについて語り、その振り返り/測定をすることがなぜ組織にとって重要であったかについて説明をしているということです。
最後の特徴は、受賞者は勇敢であるということです。受賞者は物事をよりよくするためにリーダーシップを発揮し、気力と野心を鼓舞しましたが、権益も喜んで受け入れ、プロジェクト開始前に正しいクオリティの手順を備えていたことを強調しています。「これまでもいつもこうやって来たから」という態度については疑いの目を向けます。
世界中のクオリティプロフェッショナルに対する私からのメッセージは、「ぜひ国際クオリティ賞へエントリーすることをお考えください」ということです。エントリーするだけで、ご自身の組織の中でクオリティへの注目度を増す助けとなるのみならず、経営層の積極的関与を確かなものにし、ご自身への信頼を高めるためにも重要なステップとなります。エントリー受付は2018年6月1日に開始されています。
皆様が、他のクオリティプロフェッショナルの方の物語を読み、「これはいい考えだ。自分の仕事でも、これは今後使えるかもしれない」とおっしゃっていただけたら、本望です。
第1回国際クオリティ賞の新規プロジェクト賞受賞者のケーススタディーを公開しています。閲覧はこちらから。
本メッセージの発信者、エステル・クラーク (Estelle Clark) は2018年度国際クオリティ賞全体の審査員長であり、3つの部門賞の審査員でもあります。
CQP FCQI (Chartered Quality Professional, Fellow) であるエステル・クラークは、CQI のポリシー担当役員であり、Head of Profession も務めています。また、ロイド・レジスター・マネジメント・システムの技術諮問委員会の議長、リバーシンプル社 (水素燃料電池自動車を製造する世界唯一の民間企業) のステークホルダー委員会の委員長でもあります。
それ以前には、富士通サービス、アルストムパワー、ロイドレジスター、ファイナンシャル・オンブズマンサービスにおいてトップマネジメントチームのクオリティ担当役員を務めました。ビジネスシステム、カスタマーエンゲージメント及びプロジェクトマネジメントを専門としています。また、エステルは、英国とヨーロッパのQuality Leader of the Year Awardをそれぞれ受賞するとともに、CQI のChartered Fellow であり、Royal Society of Arts (RSA) のFellowでもあります。