ISO/PAS 45005 労働安全衛生マネジメント – COVID-19パンデミック下の安全な労働のための一般指針
2020年12月現在、世界中で新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) が猛威を振るっています。しかし、このパンデミック下においても、人々は働き続けなければなりませんし、また経済活動も行わなければなりません。このような状況を受けて、ISO は12月15日に「ISO/PAS 45005:2020 Occupational health and safety management – General guidelines for safe working during the COVID-19 pandemic 労働安全衛生マネジメント – COVID-19 パンデミック下の安全な労働のための一般指針」を発行しました。
>>11月時点のISO/PAS 45005の概要及びTC/283 のその他の活動状況についての記事はこちら
ISO の規格は、通常、平均3年を掛けて開発されますが、ISO/PAS 45005 はその緊急性と必要性を鑑み、わずか3か月の開発期間で発行に至りました。下敷きとなるBSI 規格 BS Flex 45005 – Safe working during the COVID-19 pandemic - General guidelines for organizationsがあったとは言え、異例のスピードであり、この状況の緊急性をISO がいかに捉えているかが伺えます。
ISO/PAS 45005は、パンデミック時において、従業員と利害関係者の健康と安全をマネジメントするための国際的なベストプラクティスをまとめたものであり、それぞれの国のガイドラインや規制を補完することを意図しています。また、ISO の他の規格と同じく、この規格も、小規模の組織から、大規模な組織まで、組織の規模の大小を問わず、またどこの国や地域であるかに関係なく、利用することができます。
労働安全衛生の委員会TC/283 内の26か国の専門家が草案を作成し、TC/283のメンバーである80か国が承認した、この一般指針は、一般仕様書 (PAS=Publicly Available Specification) という形で発行されています。PAS という形式をとっていますので、今後のパンデミックの状況や新しい情報に応じて、PAS として更新される場合もありますし、正式な国際規格となる可能性もあります。
この規格はすでに日本規格協会やISO のウェブサイトから入手できるほか、ISO のOBP (Online Browsing Platform) にて無料で全文を閲覧することができます。
>>ISO ウェブサイトに掲載された45005発行に関する記事はこちら