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ゲームチェンジャー: クオリティプロフェッショナルはいかにしてパフォーマンスを牽引していくのか

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ゲームチェンジャー: クオリティプロフェッショナルはいかにしてパフォーマンスを牽引していくのか

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 ヴィンス・デズモンド
 Vince Desmond
 CEO, CQI IRCA


2026年ワールド・クオリティ・ウィークのブログシリーズの開始にあたり、CEOのヴィンス・デズモンドが、優れた品質の成果を生み出すためのパフォーマンス向上につながる機会について、自身の考えを語ります。

今年は、6月にロンドンで開催されるCQI のイベント Quality ライブと、2026年11月のワールド・クオリティ・ウィークにおいて、品質マネジメントによる「Powering Performance (パフォーマンス向上の原動力)」というテーマにスポットライトを当てます。

組織は、人々、プロセス、テクノロジー、そして近年ますます重要性を増しているデータが交わるところを最適化することで、優れたパフォーマンスを実現します。不確実性に満ちた2026年の事業環境においては、パフォーマンスを向上させることは困難であると同時に、チャンスでもあります。

それが品質の成果のマネジメントする上で何を意味するのかについて、私の考えをここでお伝えします。

シンプルにして、焦点を絞る

2026年2月の欧州産業サミットでの演説の中で、ベルギーのデ・ウェーヴェル首相は、EUでは「革新的な研究に携わる人の2倍の数の人々が規則の実施と監視に従事している」と指摘しました。

組織の中でもそれが当たり前になっています。長年にわたって構築されてきた事業プロセスのシステムの中の一部には、十分に活用されなくなっていたり、運用不能になっていたりしているものがあります。それが場合によっては俊敏性やイノベーションを制限する要因となっています。

組織のマネジメントシステムに関しては、そのシステムの成果を出す能力 (capability) について、そして昨今では、事象に対する俊敏な対応をサポートし、可能にする能力について、継続的に議論すべきです。

ヴィンス・デズモンド、CQI CEO

人々に再び主導権を取り戻せ

ギャラップの「State of the Global Workplace (世界職場環境) 2025 レポートによると、従業員の62%が仕事に意欲がなく、17%は仕事への積極的な関与を拒否していると報告されています。

私が事業プロセスのシステムについて述べたことを踏まえれば、これは驚くべきことではありません。同ギャラップレポートはまた、「全世界の従業員の40%が前の日にストレスを感じた」とも述べています。イングランドの国民保健サービス (NHS) は、職場ストレスの7つの原因挙げています。その中には仕事の裁量権の欠如、責任範囲の不明確さ、そして不十分なマネジメントが含まれます。

スティーブ・ジョブズは、改善を目的としてプロセスを理解するための科学的アプローチという考え方を取り入れました。彼の真の発見は、彼が「人間の楽観主義」と呼んだものの中にありました。

人々には物事を改善したいという本能的な欲求があり、適切な仕組みさえあれば、それを実行するものです。

ヴィンス・デズモンド、CQI CEO

テクノロジー自体を「目的とする」な

政府やビジネスリーダーたちは、特に生産性の観点から、AIは大きな変革をもたらすゲームチェンジャーになると見込んで、大きな賭けに出ています。

AIバブルが懸念されていますが、AIバブルとはAIの潜在能力を価値に変換できない私たちの無力さの表れなのです。導入の成功を阻む障壁について多くの人が語っていますが、私が最も目にしてきたのは、会社を改善あるいは変革するというマインドセットを置き去りにして、「AIを導入する」ということが目的化しているという例です。それはつまり、クオリティの専門職を一段引き上げる必要があるということです。

AIは扱い方を誤ると従業員のやる気を削ぐ可能性があります。それは仕事が奪われるからというよりも、同僚であるAIが仕事のスピードを加速させるからです。設計プロセスが迅速化し、サイクルタイムが短くなり、そして保証システムがそれに追いつけなくなれば、失敗の発生も早くなります。

データ品質から始める

組織がデータを戦略的資産として真剣に捉え始める時期が近づいていると感じています。これは、プロセスを改善するだけでなく、新しい製品、サービス、さらにはビジネスモデルまでも開発するチャンスです。

多くの組織にとって、データはフラッキング (水圧破砕法) によって採取された原油のようなもので、質が悪く、有用なものにするには多大な手間を掛ける必要があります。報告によると、不良データが収益に与える影響は増大しており、ある報告では、74%の企業において、利害関係者が常に、あるいはほとんど常に、データの問題を最初に指摘すると述べています。

2026年は、CQIのクオリティ 4.0の原則言及するのに絶好のタイミングのように思われます。

ここ数年、私たちは、優れた品質マネジメントがパフォーマンス向上に果たす役割を繰り返し考えてきました。そして2026年には、国際クオリティ賞、ロンドンで開催するQuality ライブ、さらに11月のワールド・クオリティ・ウィークのキャンペーンにおいて、その取り組みのさらなる実例が見られることを楽しみにしています。

私たちは、品質マネジメント及びクオリティビジネスパートナリングの価値に関する調査結果を掘り下げ、品質の専門職が品質の門番からゲームチェンジャーへと移行する中で、「パフォーマンスの強化」へのコミットメントを支えていきます。

CQI レポート The Future of Work 未来の働き方
IRCAテクニカルレポート:ISO22000:2018