地球への投資にクオリティが果たす役割
著者:
Gregorio Acero CQP MCQI
CQI's Renewable Energy Special Interest Group
CIQ 再生可能エネルギーSIG議長
2022年4月22日
英語原文はこちら
この度の国際アースデイに際し、CQI Renewable Energy Special Interest Group (再生可能エネルギーSIG) の委員長Gregorio Acero, CQP MCQI は、クオリティプロフェッショナルが持続可能な未来への移行をどのようにサポートできるかを考察します。
国際アースデイのテーマとクオリティの役割
2022年のアースデイのテーマは「Invest in our planet 私たちの地球に投資しよう」です。クオリティプロフェッショナルはこれにどのように貢献しているのでしょうか。「再生可能エネルギー SIG」は、持続可能な未来を実現するためには、クオリティの担う伝統的な役割が重要であると確信しています。保証、ガバナンス、改善、リーダーシップは、これまでと同様、私たちが次の世代により良い地球を残すための迅速かつ成功するイノベーションや投資の基礎となるものなのです。
再生可能エネルギーへの移行を支援する
現在、持続可能なエネルギーの主要なOEM (相手先ブランド製造) 企業の多くが苦戦しています。この情報は、オンラインの公開レポートで容易に入手できます。簡単に言えば、儲かるビジネスではないのです。このような収益性の低さは、投資の抑制につながり、イノベーションや改善の妨げとなり、新しい工場や製品、プロジェクトに投入される投資さえも危うくします。
持続可能なエネルギー源に移行するためのビジネスケースの確実性を高めるには、適切な保証プロセスを適用して品質不良のコストを削減することが鍵となります。これにより確実性が高まり、政府や企業が想定されるビジネスリスクに基づく言い訳を探すこともなくなるはずです。
クオリティの低さによるコストを削減するために、再生可能エネルギー部門には、部門レベルで合意された強力な標準化プロセス、バリューチェーン全体でのより良いデータの取得と分析能力、そして専門的なクオリティの人材が必要です。これに対して立ち上がり、状況を変えるのは、クオリティプロフェッショナルである私たちにほかなりません。
目標を達成するためのクオリティの役割
ガバナンスにおける品質部門の役割は非常に重要です。今日、多くの企業が持続可能性に関する野心的な目標を約束しながら、実際には実行に移されることはありません。これは、意志の欠如や悪意によるものではなく、業務に精通した専門家による強力で独立したオペレーショナルガバナンスが欠如しているために発生するものです。これを推進するか否かは、クオリティプロフェッショナルの手に委ねられているのです。これはコンプライアンス部門や財務部門の機能ではありません。通常、両部門はこのオペレーショナルガバナンスを効率的に実行するには、日常からあまりにもかけ離れているのです。
品質部門は、他のどの部門にもない特権を享受しています。それは、問題に近いところにいるということです。イノベーションの種は、既存の問題の解決にあるのですから、これは特権です。検出された問題を専門的に分析し、その問題を解消または軽減する革新的な解決策を提供することは、クオリティプロフェッショナルの手に委ねられています。クオリティプロフェッショナルは自分たち自身が解決策を開発する立場ではないかもしれませんが、単に管理を強化することで満足したり、真に持続可能であるために必要な革新性を欠いた解決策を受け入れたりするのではなく、これらの解決策を正しく特定し、実施するためのスキルを持っています。
最後に、上記のポイントをすべて会社のマネジメントシステムに組み込むために、品質部門が持つべきリーダーシップについて強調しておきましょう。このリーダーシップは、クオリティプロフェッショナルがビジネスの信頼できるパートナーであってこそ実現できるものであり、そのためには私たちは知識を継続的に向上させることが必要です。もし、私たちが有効な意見を持ち、結果を出すのに十分な知識を持ったプロフェッショナルであると認識されなければ、私たちの使命を遂行することは不可能ではないにしても、非常に困難なことでしょう。
クオリティプロフェッショナルは、より良い地球を次の世代に残すことを約束し、それを達成するためのツールと知識を備えているのです。