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価値観による組織運営 ー「正しいことをする」ために

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価値観による組織運営 ー「正しいことをする」ために

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 Vince Desmond
 CEO, CQI|IRCA
 Friday, 4 March 2022
 英語原文はこちら

CQI のCEOであるVince Desmondが、クオリティの機能不全が引き起こした最近の問題を取り上げ、今年のワールド・クオリティ・ウィーク (WQW) のテーマ、「Quality conscience: Doing the right thingクオリティの良心: 正しいことをする」との強まる関連性を探ります。

2022年WQWのテーマは?

CQI は2022年のワールド・クオリティ・ウィークのテーマを発表しました。この活動は、クオリティプロフェッショナルを称え、意識を高めるためにCQIが毎年行っているものです。今年は11月7日から11日まで開催され、テーマは「Quality conscience: Doing the right thing クオリティの良心: 正しいことをする」ですが、このテーマは、クオリティプロフェッショナル、組織、社会全体にとって、これ以上ないほどタイムリーなものです。クオリティが機能不全となった最近の一連の問題をざっと見てみると、なぜ専門家機関がハードスキルだけでなくソフトスキルに注目すべきなのかがわかります。

最近の品質問題から学ぶこと

ちょうど今年、Netflixのドキュメンタリー映画、ボーイング737MAX をめぐる論争を描いた「地に落ちた信頼 ボーイング737MAX墜落事故」を観ました。『The Post Office Scandal 』*の著者ニック・ウォリスの講演に参加し、続いて米国でのセラノス裁判 (Theranos trial) を追い、ダウニング街10 番地 (英首相公邸) での「パーティーゲート」を注視し、Shrewsbury and Telford Hospital NHS Trustでの出産ケアの失敗に関する調査の進捗を追っています。

> 郵便局スキャンダル (外部サイト)

リーダーシップ、価値観、文化の役割

これらはすべて、オペレーショナルガバナンス*と保証におけるクオリティの機能不全の例です。しかし、これらの事例から学べることは、リーダーシップ、行動、文化といった分野の機能不全が、問題を隠蔽する方向に組織を動かし、最終的には組織の評判と人々の生活を破壊することにつながったということです。

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> オペレーショナルガバナンスがなぜ重要なのか (PDF)

 

プロフェッショナル基準を確立する

CQIなどの専門家機関は、知識体系や行動規範の基準を設定します。最近、Professional Associations Research Networkが主催したラウンドテーブルで、私を含む専門家機関のCEOが集まり、専門家の専門知識に対する信頼という考えについて議論しました。専門家の専門性に対する一般大衆の認識を損なうリスクは、力量に対する信頼がなくなった場合よりも、行動や倫理に対する信頼がなくなった場合のほうが高いというのが、共通の認識でした。したがって、専門家機関にとっての課題は、行動規範と知識体系との間で重点のバランスを再調整し、その両方でメンバー会員をどのようにサポートするかということです。

クオリティという職務

今年のワールド・クオリティ・ウィークのテーマは、私たちのコミュニティにとって、専門家として正しいことを行うことと、組織が正しいことを行うための支援をどのように行うかの両方を考える良い機会です。

品質マネジメントとは、ひたすらただただ方針、プロセス、システムの「道具箱」に関わるものだという時代遅れの考えを持つ人もいますが、仕事の定義されたシステムを真に支えるのは、リーダーシップ、文化、価値観なのです。これらの領域は最も困難な道かもしれませんが、正しいことを行うための鍵となります。2022年11月の「ワールド・クオリティ・ウィーク」に向けての議論を楽しみにしています。

CQI レポート The Future of Work 未来の働き方
IRCAテクニカルレポート:ISO22000:2018