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ISO 9004 改訂の舞台裏

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ISO 9004 改訂の舞台裏

品質マネジメントの規格改訂を担当する委員会ISO/TC 176 にリエゾンA であるCQI の代表として参加するマーク・ブレイアム (Mark Braham, FCQI CQP) がロッテルダムからレポートを送ってきました。

2017年11月、ISO/TC 176 の32回目の総会が、品質保証をテーマにオランダ、ロッテルダムで開催されました。

ISO 9004:2009 「組織の持続的成功のための運営管理 – 品質マネジメントアプローチ」は、複雑で厳しく、常に変わり続ける環境の中で、品質マネジメントのアプローチを使って業務を実施している組織の持続的成功の達成に役立つ指針を提供しています。

ISO 9004は、企業が顧客及びその他の利害関係者のニーズと期待を満たせば、持続的成功が達成できると述べています。これは、長期計画を立て、学習環境を整え、経営層が主導したときに初めて可能であり、そうすれば組織全体で改善やイノベーションが推進されるはずです。

他の規格と比べたとき、この規格の利点は、リーダーシップ、戦略、マネジメントシステム、資源及びプロセスに関する組織の成熟度のレベルを測る自己評価ツールが含まれていることです。このツールを使い、強みと弱みだけでなく、改善やイノベーションの機会を洗い出すことができます。

ISO 9004は、ISO 9001 よりも広い範囲の品質 (クオリティ) マネジメントに焦点を当てています。9004は関連するすべての利害関係者のニーズと期待を見たし、組織の全体的なパフォーマンスの体系的かつ継続的な改善のための指針を提供することを目的としています。

会議では、815のコメントが検討されました。内訳は以下です:

  • 一般    39
  • 標題      2
  • 箇条 0-4  163
  • 箇条 5-6   82
  • 箇条7   100
  • 箇条8    79
  • 箇条9   123
  • 箇条 10    88
  • 箇条 11   58
  • 附属書 A  78
  • 参考文献   3

初日はワーキンググループで集まり、一般、表題及び箇条0から4を検討し、休憩後に箇条5から11及び附属書 A について作業完了させるため、小さなタスクグループに分かれました。

プロセスをご存じない方のために説明しますと、コメントと推奨事項を読み合わせることから始めます。信じられないかもしれませんが、ISO には各コメントへの対応基準はありません。各技術委員会の事務局が、使用する様式を決めるので、すべてのコメントが処理されれば、監査可能な記録を得ることになります。

その後、さまざまな国の業界から参集した専門家とこの規格を使用するコンサルタントの経験と知識をもとに、タスクグループとしての結果を決定します。各コメントには複数の結果が出ており、完全にまたは部分的に受け入れるとするものもあり、拒否するというものもあります。

私はさまざまな討論の場でたくさんのコメントを聴いていますが、プロセスは公正であり、すべてのコメントについて同意に達しています。ときには、全員一致となりますが、グループの過半数が同意するまで規格の文言について時間をかけて議論することもあります。グループのすべてのメンバーが発言し、自分の考えを議論する機会を与えるのは、議長の責任です。

多くのメンバーの方に対し、最大限の敬意を表します。というのは、議論は英語で行われており、英語圏以外の国からのメンバーは翻訳し、すぐに返答しなければならないからです。

同じ文章を読んでも、バックグラウンドがそれぞれ異なるため解釈の仕方はさまざまとなりますが、これは合意に進むために有益です。グループは異なる文化や言語のメンバーからなっているので、訳されたときに文章の意味が通じるか、素早くチェックすることができます。

2017年初頭には、最終国際規格案を発行すべく努めています。ISO からは最終国際規格案 (FDIS) なしでよいとの許可はもらいましたが、FDIS を発行するように決定しました。CQI とIRCA のメンバーの方々には、変更があり次第お伝えしていきます。

2018年4月3日、ISO 9004:2018 は発行されました。ISO発行を受けて、Quality World 5月号ではマーク・ブレイアムが組織の競争優位性を高めるためにどのようにISO 9004をどのように役立たせることができるかについて解説する記事 『ISO 9004 組織のクオリティを防御する』を掲載しています

※IRCAの各詳細は下記よりご確認頂けます。

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