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規格レビュー調査の結果とCQI|IRCA の規格策定への関与の取り組み

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規格レビュー調査の結果とCQI|IRCA の規格策定への関与の取り組み

CQI|IRCA はISO のリエゾンA の団体としてISO 策定の場において、またその他の規格策定の場において、クオリティの専門機関として大きな貢献をしてきております。そして、CQI のメンバーとIRCA の審査員 (以下、メンバー) の皆様は、CQI|IRCAに所属する一員として、ISO 等に対して正式に意見を上げることができる立場にあります。

CQI|IRCA では、メンバーの皆様への規格関連の最新情報のご提供や規格策定への関与をより有効に機能させる方向でこれまでの規格策定への関与の体制 (CQI Sponsored Standards Regime) の見直しを行うことといたしました。

背景

規格は、組織のガバナンス、保証、及び改善において重要な役割を果たしています。その開発と実施はCQI、CQI|IRCAのメンバーの皆様、OEA組織を含むコーポレートパートナー、その他の利害関係者にとって大きな関心事です。

CQI 及びCQI|IRCAメンバーの皆様の集合的な知識、スキル、経験によって、CQIは品質マネジメント、マネジメントシステム及び審査/監査に関連するさまざまな規格の開発における重要な貢献者となっています。

これらの貢献は、CQIの Standards Panel (規格委員会) によってマネジメントされています。Standards Panel は規格及びその分野領域の権威ある専門家集団として、CQI のメンバー及びIRCAの審査員の皆様の知識、スキル、経験及び意見を取り込み、大きな成果を上げてきました。Standards Panelを通じて、CQI は、ISO 9001、9004、45001、19011、37000などの規格の開発と内容に直接かつ大きな影響を与えてきました。

CQI及びIRCAのメンバー、そしてCQI とIRCAのトレーニングコースに参加する学習者は、非常に多様なセクターと領域分野を背景としています。したがって、ISO 9001のような、ほぼあらゆるセクターや領域分野で活用できる規格もありますが、CQI のメンバーの皆様にとって重要な規格や、その規格に関するニーズやCQI に対する期待も同じように多様です。

この多様なニーズ及び期待を把握するため、今回の見直しを開始するに当たり、2020年10月末から11月初頭にかけ、日本の皆様にもご協力いただいた広範かつ詳細なCQI|IRCA 規格レビュー調査を実施しました。

アンケート調査について

このアンケート調査では、品質や監査の専門家としての活動において、各規格がどの程度重要であるか、その規格に関するニュース、知見、ガイダンス、トレーニングを受けることにどの程度価値があるか、そしてその規格の開発にCQI がどの程度参加することが重要であると考えるかだけでなく、各メンバーの皆様ご自身が各規格の開発に参加したいと思うかどうか、どのように参加したいかについても質問し、英国、日本をはじめとする世界各地から660名以上のメンバーが回答をお寄せくださいました。

これにより、メンバーの皆様が最も重要な規格にどのように関与し、情報を得たいと考えていらっしゃるか、ほかにはない貴重な情報を得ることができました。これらの情報に基づき、CQI|IRCA は、メンバーの皆様の参加と協議を前面に押し出し、皆様にとって本当に重要な規格にリソースを集中させる、規格に対する新しい体制を構築していきます。

なお、調査の対象として全部で36の規格が以下の基準に基づき選ばれました。

● マネジメントシステムの要求事項規格及びガイダンス規格
● 品質マネジメント及び監査の専門家にとって中核となると考えられる力量関連の規格
● セクター固有の品質マネジメント規格
● 環境、労働安全衛生、リスク、及び情報セキュリティなど、関連する専門職やセクターに関する規格
● その他、CQI が特定の製品やサービス (研修コースの基準や審査員の評価登録制度など) を提供している規格
● その他の品質マネジメントに関するガイダンスやサポートを提供する規格

アンケートの結果の概要

規格の重要度について

ISO 9001 (品質マネジメントシステム要求事項) 及びISO 19011 (マネジメントシステム監査のための指針) については、すべての質問において「重要」と「非常に重要」の2つの評価が最も高い割合を占めました。これは、メンバーの皆様がこれらを最も重要と考え、情報やトレーニングを受けることを重視し、CQI がこれらの開発に参加することを重要視していることを示しています。

また、ISO 14001 (環境マネジメントシステム要求事項) と45001 (労働安全衛生マネジメント要求事項) については、重要性、ニュースの評価、知見、トレーニングに関して高い関心が示されました。 

しかしながら、特定の業界や分野に関連する規格など、あまり関心を払われていない規格の中にも、一部のメンバーにとって特に重要なものがあることも、今回のアンケートで浮き彫りになりました。また、メンバーは、クオリティプロフェッショナルとしての役割にとってそれほど重要でないと思われる規格であっても、中核となるマネジメントシステム要求事項をサポートする規格に関するニュースに重きを置いていました。

セクター固有の規格では、「非常に重要」、「重要」という上位2つの評価の割合は低く、このような規格に関心をもつメンバーの数は、より一般的な用途の規格よりも少ないかもしれないことが示唆されました。

ここから洞察される結果に従い、CQI|IRCA の新たな体制で各規格に割り当てるリソースを決めるためのランキングや優先順位を作成することができました。

ニュース及び最新情報、知見、並びにトレーニング

メンバーが、ニュース及び最新情報、並びに知見やガイダンスを受け取ることに価値を置く規格は、最も重要だと評価した規格と一致しています。トレーニングについても同様に価値が置かれていますが、これはそれほど重要であるとは評価されていません。

規格策定への参加

アンケートの結果には、CQI が幅広い規格の開発に参加して影響力を発揮することをメンバーが望んでいるということが示されていました。

「CQI|IRCA がこの規格の策定に参加することはどの程度重要だと思いますか?」という設問に対して、調査対象となった36の規格のうち27の規格について、33%以上の回答者から「重要」または「非常に重要」と回答がありました。

しかし、「ご自分が開発に参加することの重要性」を尋ねる設問に対しては、33%以上の回答者から「重要」または「非常に重要」と評価された規格は以下の4つのみでした。

ISO 9001 46%
ISO 19011 43%
ISO 45001 35%
ISO 14001 34%

規格策定に携わるための新しいシステム

アンケートに寄せられたメンバーの皆様からのご意見を踏まえ、CQI は規格への関与と開発活動の新しいシステムを以下のとおり、展開します。

  • すべての規格の活動の全体像を把握する
  • CQI とメンバーの皆様にとって、引き続きもっとも重要な規格に中心的なリソースを集中させる
  • CQI がサポートしない規格については、CQIはその分野の専門家や興味をもっている人がその関心事を追求する活動を支援する
  • CQI がサポートするすべての規格の活動を、CQI とメンバーの皆様にとって価値のあるアウトプットに集中させる

CQI は、主要な規格の製品ライフサイクルを検討し、メンバーグループ (例えば、Special Interest Groupなど) からの要望や提案、メンバーの皆様からのフィードバック、そして環境スキャニング (environmental scanning) の確立された手法のプロセスを通じて、どの規格に関わるべきかを特定します。このプロセスにより、CQIとその利害関係者に影響を与える主な要因、CQIの戦略目標の実現をサポートする要因を特定し、利害関係者にとっての価値を高めるために必要な知見を得ることができます。

情報と関与に対するニーズ、期待及び意欲の幅広さと多様さをサポートするために、規格を階層別に割り振り、CQI が提供する適切な活動と関与及びサポートの度合いを決定します。CQIは、CQI|IRCAメンバーから成るワーキンググループに、規格開発プロジェクトの運営、メンバー参加型の活動のリード、(ISO を含む各規格策定機関の) ワーキンググループや技術委員会への参加、メンバーを支援し情報を提供するためのアセットの作成などを委託します。

このアプローチにより、より多くのメンバーの皆様が自分にとって重要な規格の開発に貢献できるようになります。このアプローチはアジャイルで応答性に富むことから、もっとも効果的な時期に規格開発に関与し、調査/アンケートを通じて特定されたニュース、情報及び関与する機会をCQI とCQI|IRCAのメンバーの皆様に提供することに重点を置いています。

この新しいシステムのマネジメントは、CQI|IRCA メンバーのワーキンググループに指示を与える、 Standards Coordination Committee (規格調整委員会) が行う予定です。この委員会に参加するためのプロセスと基準をまもなく発表しますが、それまでの間、質問やコメントがある方は policy@quality.org にメールでご連絡ください。

CQI は、規格開発に関与するための新たな体制を見据えつつ、これまでのStandards Panel (規格委員会) の献身的な取り組み、活動、そして専門知識に感謝したいと思います。

CQI のStandards Panel の構成メンバー

CQI のStandards Panel は以下のメンバーで構成されています。

● Mark Braham, formerly AA – 品質マネジメント及び附属書SL
●  Angela Cunningham, Coca Cola European Partners – 食品安全
●  Richard Green (CQIのStandards Panelの委員長), Kingsford Consultancy Services Limited –労働安全衛生
●  Ricky Leask, Intermoor – ICT及び人工知能 (AI)
●  Mike Pearson, Pearson Associates Limited – 中小企業 (SME)
●  James Pink, NSF Health Services Limited – 医療機器
●  Sharon Shutler, QMS services – ライフサイエンス
●  Alexander Woods, CQI Policy – 委員会のファシリテート及び全体の進行方向の設定

CQIの代表として規格策定に参加するこのグループの努力により、CQIは世界中の何百万もの組織に採用されているさまざまなマネジメントシステムと監査の規格の作成と改訂に意義のある貢献をする意思と能力をもつ組織として、英国規格協会 (BSI) とISOに認められています。

※IRCAの各詳細は下記よりご確認頂けます。

CQI レポート The Future of Work 未来の働き方
IRCAテクニカルレポート:ISO22000:2018