働き方サーベイ2019

投稿日：2019/07/30 更新日： 2022/09/08

CQI|IRCA は2回目となる働き方サーベイを、シャーリー・パーソンズ社 (Shirley Parsons Ltd) と共同で実施いたしました。今回のサーベイでは、80か国から2,546人が回答をお寄せくださいました。日本においてもIRCAジャパンが日本語でサーベイを実施し、多数の方にご参加いただきました。

2019年度働き方サーベイでは、報酬、満足度、キャリアアップの機会とその障壁、そして雇用主は従業員にどのようなスキルが不足していると考えているかについて質問しました。回答者には、CQIのメンバー、IRCAの登録審査員/監査員、コーポレートパートナー、特別利害グループ (Special Interest Group = SIG) の代表者、CQIまたはIRCAの登録者ではないが、品質やマネジメントシステム監査に従事している方々が含まれています。

サーベイでわかったこと

2019年の働き方サーベイでわかった主なことは

品質と審査/監査の専門家は、世界中で概してよい報酬を得ているが、男女間の所得格差を縮めていく必要がある
雇用主が求めるスキルが満たされておらず、これに対応する必要がある
CQIのメンバーとIRCAの審査員/監査員は他の専門家組織のメンバーと比べて、自らの仕事に対する満足度が高い
その満足度は職務における独立性と柔軟性に支えられている

ということです。

仕事に対する満足度も高く、よい報酬も得ていることは喜ばしいことと言えますが、まだ課題もあります。それは男女の比率のアンバランスです。特に日本では回答者のうち女性はたったの8% で、女性の回答者が0だったサウジアラビアを除くと、世界で最低の比率でした。そして、世界的に、職級が上にいくに従って、女性の比率が減っていきます。また、男女の所得格差は依然としてあり、これも職級が上がるにつれ、その差がどんどん広がっています。

給与について

上記のように男女の所得格差があるにもかかわらず、もっとも若いメンバー群では男女格差はなく、将来、これらの群が専門家として昇進していく過程でこの格差がどう変化するかを観察していくのは興味深いことです。

また、CQIのメンバー、IRCAの審査員/監査員に関して、グレードが上に行くにしたがって (一部例外はありますが)、給与の額も上がっていきます。

国別で見ていくと、アメリカ合衆国、ドイツ、カナダに続いて日本が世界で4番目に高い報酬を得ているという結果が出ています。日本のあとに英国、フランス、中国と続きます。

環境や安全衛生など他の専門職と比較した場合、一部の例外を除いて、CQIのメンバー、IRCAの審査員/監査員は他の専門職より高い報酬を得ているようです。

仕事に対する満足度

仕事に対する満足度についても、世界的に見て、CQI|IRCAのメンバーは高い満足度を示しています。ただし、満足度に関する定性的な回答はほかの国々と似た傾向を示しているにもかかわらず、残念ながら日本のメンバーの満足度は回答の多かった10か国の中で最低となっています。しかし、ウォールストリートジャーナルの記事でも取り上げられているように、日本では全般的に職業に対する満足度が低いことが反映されている可能性が示唆されています。