CQI and IRCA認定ISO 45001審査員トレーニングコースのご案内
CQI and IRCA認定ISO 45001 審査員移行トレーニングコースでは、単なる規格解説ではなく、ISO 45001 の要求事項が実際の企業運営、あるいは審査/監査においてどのような意味を持つのか、審査/監査の場面でこれらをどのように審査/監査していくかを学びます。
審査技能については、コース中のさまざまなアクティビティを通して評価が行われます。また規格の知識については、コース終了前に試験が実施されます。この両方に合格することが登録移行の条件となっています。
日本で現在、CQI and IRCA 認定ISO 45001 審査員移行トレーニングコースを提供している研修機関
CQI and IRCA認定ISO 45001 審査員コンバージョントレーニングコース及びCQI and IRCA認定ISO 45001主任審査員トレーニングコースは現在、認定研修機関で開発中です。認定の状況については、ウェブサイトにてご案内いたします。
労働安全衛生マネジメントシステムの重要性
国際労働機関 (ILO) は、世界では1日当たり、6,000名もの方が労働安全衛生関連の問題で亡くなっていると見ています。日本においても、有害物質への長年の暴露による疾病の集団的な発症、過労死、ハラスメント等により引き起こされるメンタルヘルスの問題、いわゆるブラック企業に関わるニュースなど、毎日のように労働安全衛生に関わる事項が世間を騒がせ、企業の社会的責任がますます重視されるようになってきています。
組織が組織のために働く人々の安全衛生に気を配ることは、単に注意義務があるからということだけでなく、労働安全衛生上の問題に起因する逸失利益やコストの面から見ても、そして、組織の業務運営を円滑に進めるためにも必要不可欠なことです。
OHSAS 18001 からISO 45001へ
このような中、労働安全衛生の初めての国際規格である ISO 45001が2018年3月に発行されました。そして、これに伴い、今まで広く採用されてきた労働安全衛生マネジメントシステムの英国規格OHSAS 18001は3年後の2021年3月に廃止されます。
ISO 45001は、OHSAS 18001 を引き継ぐものですが、OHSAS 18001 の改訂版ではなく、新しい、別個の規格です。移行する対象としてのISO 規格はありませんが、IAF (国際認定機関フォーラム =JABやUKAS などの認定機関のフォーラム) により、OHSAS 18001 に照らした組織の認証はISO 45001 の認証へと移行することが認められ、移行のために3年間の猶予が与えられています。
同じく、これまで、IRCAの労働安全衛生 (OH&S) 審査員/監査員登録は、OHSAS 18001 (及び受容される同等規格) の要求事項に対する審査/監査に対して行われてきましたが、今後、評価登録の対象となる規格は、ISO 45001 へと変わり、IRCA に登録する審査員/監査員は3年間のうちにISO 45001 に対する登録に移行しなければなりません。
CQI|IRCA はこのISO 45001 の発行は2015年のISO 9001 の改訂と附属書SL の導入に次ぐ大きな転換点であり、労働安全衛生マネジメントシステムの審査員/監査員にとって、大きな意味を持つことを確信しています。
CQI and IRCA 認定移行トレーニングコース
CQI and IRCA 認定ISO 45001 移行トレーニングコースは、モジュール1附属書SL 要求事項に対するコースと、モジュール2 ISO 45001 固有の要求事項に対するコースから成り立っています。また、これら2つのモジュールを1つに統合した合同コースとして提供される場合もあります。
現在、日本でCQI and IRCA 認定ISO 45001 移行トレーニングコースを提供している研修機関はこちらををご参照ください。
ISO 45001 の主要テーマ
1. 附属書SL の適用
ISO 45001 は附属書SL に準拠した規格として設計されており、リスクに基づく考え方、プロセスアプローチ、リーダーシップ及びトップマネジメントのコミットメントといったコンセプトが採用されています。
2. リーダーシップと労働者の参加
トップマネジメントは、労働安全衛生の管理について、リーダーシップとコミットメントを示すことが成功のための必須の要素だということが明示されています。
また、危険源とリスクの洗い出しをはじめ、OH&S マネジメントシステムの確立と維持における労働者の協議及び参加に関する要求事項が大幅に増えています。ここは規格策定時にも大きな議論があった個所です。
3. 労働者の定義
ISO 45001 の労働者の定義には、トップマネジメントや請負業者も含まれます。実施される日常の活動のすべてはリスクの対象であり、請負業者とその労働者がOH&Sマネジメントシステムの要求事項を満たしていることを確認せずに、外部資源を利用することは許されません。請負業者とアウトソース先を選定するときには、OH&S の基準を定め、適用することが、組織の調達プロセスに要求されています。
4. リスクに基づく考え方及びプロセスアプローチ
リスクと基づく考え方とプロセスアプローチの適用は、どちらも規格全体を通して強調されています。これは附属書SL に基づく他のマネジメントシステムでも同様ですが、OH&S マネジメントシステムの成功にとって不可欠なものです。
5. 疾病と負傷を予防する
組織は、負傷と疾病を原因となり得るファクターを考慮しなければなりません。これには、身体的な状態だけでなく、精神の状態、あるいは認知能力の状態も含まれることが明示されています。