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品質文化を育むには - 規制分野における成功

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品質文化を育むには - 規制分野における成功

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コリン・ハーリー氏 (Colin Harley CQP FCQI) は、航空宇宙、原子力、石油・ガスなどの業界分野から得られた教訓を紹介し、品質機能の変化が、顧客とサプライヤー双方に利益をもたらす働き方の改善をどのように実現してきたかを紹介します。

成功を導く要素

「品質文化」は私たちがよく使う言葉ですが、実際にはどのように実現すればよいのでしょうか。

私の経験では、航空宇宙、原子力、石油・ガスなどの規制分野において、あらゆる組織で製品やサービスを最も効果的に提供するための要素は、概ね、次のとおりです。

  1. 文化
  2. 構造とシステム
  3. 力量
  4. 振る舞い

これらはいずれも個別に考えるべきものではなく、また相互に排他的でもありません。むしろ、相互に関連し依存し合っています。

これらそれぞれについて、さらに詳しく見ていきましょう。

文化

  • 共通の目標
  • 共有されたビジョンと価値観
  • 明示された目的、目標、達成基準
  • 倫理
  • 士気


構造とシステム

  • 明確な組織構造
  • 明確な役割と責任
  • 方針
  • プロセス
  • 手順
  • 測定


力量

  • (あらゆる階層における) 適切な人材
  • 訓練
  • 能力開発
  • 関与


振る舞い

  • 姿勢
  • コミットメント
  • 価値観
  • (あらゆる階層における) 敬意

品質管理者の役割

品質管理者の役割は、組織の文化を変革するうえで重要な鍵となります。

過去には、品質管理者は上級経営層から追加コストと見なされることがよくありました。場合によっては、品質管理者は、自らを不適合な製品やサービスを特定する責任を負う検査員、あるいは組織のISO 9001認証の維持と保護のみを目的とする監査員であると認識していました。

組織全体にわたる品質文化を醸成するのであれば、このような考え方は改めなければなりません。

品質管理者はその役割の範囲を拡大し、組織内のあらゆる階層に利益をもたらす存在として認識されなければなりません。コストや収益性の面で否定的に受け止められがちな、仕事を取り締まる役割として見られるのではなく、品質管理者は、組織全体の運営に価値をもたらすファシリテーターとして見なされなければなりません。

品質管理者は、より良い働き方の推進者となり、品質マネジメントシステムの価値を示し、変革の促進役とならなければなりません。これは、上級経営層における品質管理者の役割に対する認識を変えることから始まります。

何が上級経営層に最も強い影響を与えるのかを考えてみましょう。通常、それは損益、すなわち利益と損失に影響を与えるあらゆるものを指します。これは、効率的な働き方、高品質な成果物、手直しがほとんどない、またはまったくない、そして高いレベルの顧客満足度といった要素に分解することができ、ひいては市場での評判につながります。

また、十分な情報を得て意欲的に関与する従業員は、組織にとって有益であり、組織の目標達成を支援するものであるという認識もあります。これは何も、品質管理者は引き続き、監査、プロセスや手順の監視、不適合報告、あるいは改善提案に通じて、組織の運営を測定し、影響を与えるべきではないと言っているわけではありません。そうではなく、品質管理者は、必要に応じて変化を伝え、その実現を促進するという姿勢を持たなければならないことを意味します。

品質管理者は、上記の4段階のアプローチを採用する利点を上級経営層に納得させることができるよう、対人スキルを備えていなければなりません。

上級経営層は、このアプローチを受け入れ、これにコミットしなければなりません。上級経営層のコミットメントがなければ、目的や目標を提供し支援するために導入されるいかなる取組みも、間違いなく失敗に終わるでしょう。

4つの要素を実装する

上記で概説した4つの主要な領域を、さらに詳しく見ていきましょう。

文化

組織は、社内と外部関係者の双方に伝達される、明確に定義された使命、ビジョンおよび価値観を持たなければなりません。また、今後に向け、将来の目的や目標が何であるかについて、明確な戦略があるべきです。組織内の各構成メンバ-は、ビジョン、戦略、価値観、倫理、目的および目標を明確に理解している必要があります。あらゆる階層の一人ひとりが、これらを理解し、それを支えるために自らが果たすべき役割を認識している必要があります。

構造とシステム

組織は、全員が理解できる、明確に定義された構造を持たなければなりません。役割と責任は、すべての階層で十分に理解される必要があります。組織が実施するあらゆる活動は、抜けがなく、重複することなく網羅されるよう、注意を払わなければなりません。

方針、プロセス、手順、さらに必要に応じて作業方法を組み込んだ、体系的なマネジメントシステムが必要です。これらは、結果を検証し、必要に応じて改善できるよう、測定可能でなければなりません。そのマネジメントシステムは、堅牢で利用しやすいものである必要がありますが、過度に官僚的であってはなりません。最終的には、このシステムはトップマネジメントが責任を負うものですが、通常は、その運用とパフォーマンスに関する日々の責任は、任命された品質管理者に委任されます。

力量

あらゆる階層で適切な人材を確保することは、いかなる組織の成功にとっても不可欠です。したがって、能力の測定は極めて重要です。人々に訓練が必要であると判断された場合、それが現在の役割に関するものであれ、昇進の手段としてであれ、あるいは新しい製品やサービスに取り組む場合であれ、個人の能力開発のための計画が整備されていなければなりません。

振る舞い

品質文化の導入を検討する際、これはおそらく最も重要な要素です。新しい働き方が確実に成功した成果をもたらすために必要な変化を実現するには、組織のあらゆる階層からのコミットメントがなければなりません。そのためには、意識の改革、必要に応じた変革へのコミットメント、そして組織の目的や目標を達成するために何が必要であり、どのように実現するかについての理解が求められるかもしれません。

組織内のあらゆる階層の個人に敬意が示され、価値観と倫理を理解し、そしておそらく何よりも重要なのは、掲げられた目的と目標の達成に向けて全員が一致団結して取り組む姿勢が必要であるということです。

上級経営層の役割

上級経営層の本質はコミットメントであり、それに次いで重要なのがコミュニケーションです。

上級経営層が、概説された4つの概念を受け入れることが不可欠です。上級経営層の各メンバ-は、その文化へのコミットメントを支持し促進するために必要な行動様式や、そうした姿勢を伝える方法を身につけるべきです。これには、以下の内容が含まれますが、これらに限定されるものではありません。

  • 組織のあらゆる階層における可視性 (MBWA: Management By Walking About 「現場巡回によるマネジメント」と呼ばれることもある)。
  • その文化を支える振る舞いを示す。
  • その文化に馴染むのに苦労する可能性のある人々を助ける。
  • 組織内でその文化を受け入れていない、またはその文化に抵抗を示す人々を励まし、支援する。


さらに、上級経営層は、すべての人にとって安全な作業環境が確立されていること、ならびに外部のサプライヤーが、健康、安全および福利厚生の観点において同じ倫理観に従っていることを確実にしなければなりません。

その文化を効果的なものにするために、上級経営層は、次のような原則を策定し、体現し、支援する必要があります。

▼目的、目標、ゴールおよび達成基準を含む、明示され周知された戦略

  • 非難のない文化• 会議における振る舞いとして、惜しみなく耳を傾けること、個々人が率直に発言するよう促すこと、個人的な違いを脇に置いて業務の成果に焦点を当てること、相手を不快にさせずに意見の相違を述べること、合意した行動を実行することへのコミットメント


▼フィードバックを奨励する・イノベーションを奨励し、促進する

  • 訓練への取り組み
  • 職場におけるあらゆる階層に対する敬意

ツールおよび手法

コミュニケーション: 各個人は、組織の継続的な成功において自分が果たせる役割と、どうすれば達成できるかを理解しなければなりません。成功に必要な共通の重点事項に対してあらゆる階層で足並みをそろえられるよう、戦略、目的、目標および達成基準は、ポスターまたは電子的手段などを用いて、見えるようにしておく必要があります。

さらに、下位層から上位層へ伝達するための仕組みが必要です。これを可能にするために、組織は『非難のない』文化を導入し、実践を示さなければなりません。作業の遂行中に課題や問題が生じた場合は、罰則や報復を恐れることなく報告されるべきです。これが奨励されなければ、課題は「隠蔽」され、将来、重大な結果を招く可能性があります。

訓練: 導入訓練やOJTを通じて、あらゆる階層の従業員が組織の目的、目標、達成基準および文化を共有し、これらを支える技能を身に付けることができるようにします。あらゆる欠点を克服するための適切な訓練を提供できるよう、方法を整備しておく必要があります。この訓練は社内で実施できる場合もあれば、外部の研修機関の協力を仰ぐ必要がある場合もあります。

コーチング: 個人が通常の役割や責任の範囲を超える活動を行うよう求められた場合、問題が生じる可能性は高くなるでしょう。そのような場合には、組織内の他の人々からの支援や援助を求めるよう積極的に促す必要があります。そのような支援を求めることに対して、非難されたり、汚名を着せられたりすることがあってはなりません。

認知: さまざまな形をとり得ます。個人に対するインセンティブとしては、ボーナス支給や業績に対する報奨といった金銭的なもののほか、贈答品、イベントへの参加、その功績に対する上級経営層からの表彰 (通常は、優れた業績に対する評価が他者にも認識されるよう、同僚が同席する正式な場で行われる) などが挙げられます。高い成果を上げるチームも、同様の方法で評価され、グループとして報酬を与えられることがあります。

成功への障壁

組織文化の改善を成功させるうえで、群を抜いて最大の障壁となるのは、上級経営層のコミットメントの欠如です。もし上級経営層が組織内の他の人々との関わりやコミュニケーションにおいてこれを示すことができなければ、その文化は支援されているものとは見なされません。

経営幹部のコミットメントの欠如は、間違いなく組織のあらゆる階層での反応の鈍さとして表れるでしょう。この点で留意すべきこととして、業務の遂行に関して産業界が最も懸念している分野は、契約に関する認識、調達 (最良の価値ではなく最低価格の入札者が優先されるように見える場合がある)、設計検証、十分な情報を持ち積極的に関与する労働力、そしてライフサイクル全体を通じた運用への注力であるということです。

まとめ

良好な職場文化の実施に影響を与え、ひいては望ましい成果の達成につながる主な要素は、コミットメント、コミュニケーション、敬意、そして認知です。

これらは必ずしも容易に達成できるものではありませんが、組織内のあらゆる階層での関与、包摂、訓練、そして文化の醸成を通じて、その組織の誰もが、現在の役割におけるパフォーマンスの向上と、将来に向けた個人のレベル成長の両面において恩恵を受けることができます。

組織内の文化を改善するためには他のアプローチが存在する可能性は十分にあることをあらためて強調しておきますが、高度に規制された産業分野では、これらの手法を導入し成功させることを通じて価値がもたらされることが実証されています。

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