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クオリティの世界へ飛び込んで

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クオリティの世界へ飛び込んで

アルストム香港でクオリティチームのプロジェクト・クオリティ・エンジニアとして働く、Khar Voen(Carmen)Chin嬢が2018年度のCQI国際クオリティ賞の新人賞 (Emerging Talent Award) を受賞しました。もともと財務の専門家であった彼女がどうしてクオリティの道を歩み始めたのか、CQI国際クオリティ賞への応募が彼女にどのような変化をもたらしたか、アジアの若い女性としてクオリティの部門で直面する難しさとそれにどう対応してきたかなどを、IRCA ジャパンの登録者の方々に向けて語ってもらいました。

CQI 国際クオリティ賞に応募して

2018年のCQI 国際クオリティ賞の新人賞へエントリーしようと決めた日からの6か月間は、私のこれまでのキャリアにおけるハイライトであり、この経験を経た今、私の人生はそれまでとは違うものとなりました。賞へのエントリーでは、CQI の力量のフレームワークの5つの分野において、クオリティプロフェッショナルとして自分がどのように貢献してきたかを述べなければなりませんでした。5つの分野とは以下です:

  • リーダーシップ
  • ガバナンス
  • 保証
  • 改善
  • 状況

10月に、賞の最終選考に残ったという知らせを受けたときは、とても信じられない気持ちでした。7000マイル離れた英国にいる審査員団とのスカイプによる1時間にわたるインタビューを終えると、私は11月にロンドンで行われる授賞式のチケットとロンドンまでの航空券を予約しました。英国に行くのはこのときが初めてであり、英国は私が住み、働く香港からは遥かかなたに思えました。

いよいよ授賞式の日が来て、受賞者としてアナウンスされたのち、世界中から来ている大勢のクオリティプロフェッショナルの人たちの前でステージに立ち、受賞の挨拶をすると、胸がいっぱいになりました。私は、2018年の国際新人賞受賞を謙虚に、誇らしい気持ちで受け取りました。

財務畑からクオリティの世界へ

家族についてお話しすると、私の父も姉も会計士であり、その強い影響のもと、私は育ちました。オーストラリアの大学で企業会計の修士号を取得したのち、世界4大会計事務所の1つで、安定した、高報酬の職を得て、ごく普通にキャリアパスを歩み出しました。その後、およそ8年間にわたり、東アジア地区で財務のプロフェッショナルとして働きました。私のキャリアは母国マレーシアでPwCの財務監査員としてスタートし、その後、輸送機器製造大手のアルストム香港において予算/報告管理官として働きました。

アルストムでクオリティーチームのプロジェクト・クオリティ・エンジニアとしてチームに加わる機会が与えられたとき、私は戸惑いました。何しろ、私にはエンジニアリングの知識は何もなく、鉄道産業のこの職責と私の教育のバックグラウンドもかけ離れていたからです。しかし、リチャード・ブランソンの次の言葉が私を奮い立たせました: 「だれかにすばらしいチャンスを与えられ、自分にできるかどうか自信がないときは、まず、やりますと言いなさい、どうやるかはそれから学べばいいのだから !」。周りの人は皆、私に「やめておきなさい、あなたにはできない」と言いましたが、私はやると決断しました。

財務のキャリアから、今まで歩んだことのない道を取るのは勇気のいることでした。この決断により、私はまったく新しい世界へと一歩を踏み出しました。毎日、新しい知識を学び、ガバナンスとコンプライアンス、品質の監査、会社を継続的に改善することに情熱を見出しました。製品とプロセスを改善するというこの職務に私は充足感を感じ、会社に対する強い帰属意識を覚えました。

アルストムでのクオリティプロフェッショナルとしての役割

アルストムでの私の役割は、香港と他の東アジアの国々における鉄道プロジェクトのクオリティ部門をサポートすることです。世界に広がる同僚やサプライヤーとコミュニケーションしなければなりませんが、私には5か国語の知識があるのが幸いでした。クオリティの世界に入ってまだ2年ですが、この仕事のため、すでに多くの国々を訪れ、異なる文化の中でクオリティがどのようにマネジメントされているかを学んできました。

私がおこなっているのは、プロジェクトプロセスのレビュー、受入検査、根本原因調査のための問題解決ツールの利用、必要に応じたオンサイトのプロジェクト監査の実施などです。経験を積んだガバナンスと適合の監査員としてクオリティの世界に移ってきた今、監査というのは単にプロセスへの適合を確認する手段ではなく、改善の方法を見つけるチャンスなのだという利点を人々に理解してもらうよう努力しています。

クオリティの業務を遂行するためには、ときとして鉄道の線路や駅で夜遅くまで働かざるを得ないこともあります。据付の現場を訪問するのは緊張します。100人以上の据付のチームに女性は私、1人だけということもあります。このような環境で信頼を得るための方法はたった1つ、自分で勝ち取る以外ないということを学びました。ある現場を訪問したときのことを思い出します。上司の監督がない状態で訪問しなければならなかったのですが、現場で早期発見した複数の問題点がプロジェクトの注意を呼び起こし、これにより鳴らされた警鐘が重要な改善に結びつきました。

クオリティプロフェッショナルとして心に留めていることと未来のキャリアについて

クオリティの業務に従事した最初の日から、技術的な知識を学ぶために最大限の努力をし、質問をすることを躊躇せず、謙虚に熱意をもって学ぶ姿勢をもたなければならないと思いました。私は物事を別の角度から見て、会社に価値を付加することができると自負しています。これには、上司が無条件でサポートしてくれていることが大きいです。

難しい問題はいろいろありますが、クオリティの職務に加わって以来、私はこの職務に情熱を感じ、大きな満足感を得ています。後ろを振り返ったことはありません。

CQI に加わる前、IRCA 登録の内部監査員になりたいといつも思っていました。今年の初旬に私は内部監査員協会 (the Institute of Internal Auditors = IIA) の CIA (Certified Internal Auditor) プログラムに申し込み、現在、プログラムを実施しています。これを修了したら、次にIRCA に登録しようと計画しています。

私はCQI の新人賞を得たことにより、自信を深めることができ、クオリティの分野でのキャリアを追求し続けていこうという決心に拍車が掛かりました。未来の目標は、これまで以上にリーダーとしての役割を果たし、QMS をもつことの重要性、そしてクオリティは価値を創造し、会社の目標達成に役立つということを企業内の人々に知ってもらうことです。

私の話が、皆様、特に (私のような) 若いアジア人女性に、クオリティの分野でキャリアをスタートさせるのに遅すぎるということはなく、学ぶ姿勢と進んで一所懸命働く気持ちがあれば、クオリティのキャリアは非常に報われるものであるということを知ってもらう機会となればと思います。

※IRCAの各詳細は下記よりご確認頂けます。

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