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CQI|IRCAと2018年度ワールド・クオリティ・デー

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CQI|IRCAと2018年度ワールド・クオリティ・デー

毎年、11月の第2木曜日はワールド・クオリティ・デーです。今年のワールド・クオリティ・デーは、11月8日に行われ、CQI|IRCA も英国本国で、また世界各国で、登録メンバーやコーポレートパートナーとともに、それぞれが実施したイベント等を共有しています。

ワールド・クオリティ・デーとは

2018年度のワールド・クオリティ・デーの話に入る前に、まずワールド・クオリティ・デーでは、何が行われるのかということをお話しします。

ワールド・クオリティ・デーは、日本では品質月間として知られる11月の第2木曜日に、世界各国で行われています。また、組織によっては、第2木曜日1日だけでなく、ワールド・クオリティ・ウィークとして、1週間を通じて活動を実施しているところもあります*。いずれにせよ、ワールド・クオリティ・デーでは、クオリティに携わる人々が、自分たちの活動を振り返ったり、自分たちの活動を広く知ってもらい、組織内のすべての人がクオリティについて考え、クオリティ担当以外の人たちも実はクオリティに関与しているということを認識してもらうための活動が行われます。

行う活動の例としては:

  • ランチミーティングを開催し、ワールド・クオリティ・デーのテーマに沿ったディスカッションをする
  • 他部署、他チームのメンバーも入れ、コーヒーを飲みながら、ワールド・クオリティ・デーのテーマに沿ったプレゼンテーションをしたり、ディスカッションをする
  • 他部署も含めた部課長からの支援を得るため、上級経営層にイベントに参加してもらい、全社に向けてメッセージを発信する
  • 日常業務の中で行っている、テーマに沿った活動についてチーム内で話し合う

といったことがあります。いずれもごく簡単なことですが、日々の業務の中、このような活動は、なかなか行うことができません。11月の第2木曜はワールド・クオリティ・デーであるということをきっかけに、自分たちが可能な範囲でこのような活動をすることは、組織内外の人々にクオリティの重要性を知ってもらうための、小さいけれども大きな一歩となります。

2018年度のテーマについて

ワールド・クオリティ・デーでは毎年、異なるテーマが設定されます。2018年のワールド・クオリティ・デーのテーマは、"Quality: A question of trust クオリティ: 信頼こそが重要"でした。組織に対する世間の評判は信頼の上になりたっており、組織が持続可能な成功を達成するためにはステークホルダーからの信頼を得なければなりません。

しかし、ステークホルダーからの信頼を一朝一夕で得ることはできません。信頼を得て、競争力を強化するには粘り強い努力が必要です。また、たとえ苦労して信頼を得ても、ひとたび、組織やマネジメントあるいは従業員が間違った決定を下したり、間違った行動をすれば、組織への信頼は傷ついてしまうかもしれません。その上、それを適切にマネジメントすることに失敗すれば、あっという間に信頼は失われ、組織の評判は落ちてしまうでしょう。このことは、神戸製鋼や日産、アップルやフェイスブック、あるいはフォルクスワーゲンやBMWなど、昨今、世界中で発生している有名企業のスキャンダルを見れば、明らかです。2018年のワールド・クオリティ・デーでは、ステークホルダーに対する信頼の確立と維持のために、組織の中の人が果たす役割について考え、信頼を得るために努力する人々を讃える機会となりました。

信頼の構築とCQI 力量のフレームワーク

CQI では、クオリティプロフェッショナルのためのCQI|IRCA力量のフレームワークに基づき、信頼の確立、維持のために、クオリティプロフェッショナルは何ができるかを考え、一番上に掲げた画像で図示しました (記載されている各力量についての記述は下の表を参照のこと)。

保証 Assurance: 組織がパフォーマンスを理解し、信頼と世評に対するリスクを洗い出す手助けをする
ビジネス改善 Business Improvement: パフォーマンスと信頼を向上させるために必要な改善への正しい投資を促す
オペレーショナルガバナンス Operational Governance: 組織が顧客、ステークホルダー及び組織自身のために一貫して正しい決定をするのに役立つマネジメントシステムを推進する手助けをする
リーダーシップ Leadership: 組織が関連するステークホルダーの期待に応えるために、価値観や文化を整える手助けをする
状況 Context: 組織が顧客を含むステークホルダーのニーズ及び期待を理解する手助けをする

 

CQI|IRCA のCEO、ヴィンセント・デズモンドからのメッセージ

なお、CQI|IRCA のCEO、ヴィンセント・デズモンドは、今回のワールド・クオリティ・デーにあたり、下記のメッセージを発信しています。

「今後数十年にわたり、組織の前には相矛盾する2つの難問が立ちはだかっていると私は考えています。テクノロジーに対応するために、組織はビジネスモデルとシステムを迅速に変えていく必要があるでしょう。同時に、同じテクノロジーによってもたらされる透明性に対処するために、組織は製品及びサービスのみならず、自らの振る舞いについても信頼を得ていく必要があります。
組織がオペレーショナルガバナンス、保証及び改善のシステムについて、さまざまなステークホルダー全体を網羅するアプローチを用いるとき、CQI|IRCA は、すべての分野における変化を推進し、信頼を維持していくお手伝いをしていきます。」

CQI|IRCA は、毎年、ワールド・クオリティ・デーの活動を推進するために、ロゴや、プレゼンテーション用のテンプレートなど、さまざまなツールを配布しています。今後、日本においてもワールド・クオリティ・デーが広く行われるよう、IRCA ジャパンにおいても、活動を推進していきます。

なお、2018年11月8日に日本で行われた活動の1つとして、アラムコ・アジア・ジャパン株式会社の事例をこちらでご紹介しています。

*ちなみに、シーメンスにおける昨年、2017年度のワールド・クオリティ・ウィークの活動事例も、こちらでご紹介しています。

CQI レポート The Future of Work 未来の働き方
IRCAテクニカルレポート:ISO22000:2018