ISO 9001 ユーザー調査2020
7月29日、TC 176 のSC2はすべての委員に対し、ISO 9001 に関する世界的な調査がまもなく開始されるということを通知するメールを送りました。委員たちは調査レビューし、調査を実施するということを可能な限り広くアナウンスするようにとのことです。
この調査の目的は、ISO 9001 の2015年版に関するエンドユーザーの見解を収集し、ISO 9001 の次の版に含める必要のある新しい内容についてのアイディアを確認することです (品質マネジメント規格の未来の方向性を参照のこと )。
今から2020年12月2日までの間に、ISO 9001 の体系的なレビューが行われる予定です。世界規模での調査は、このレビューへの主なインプットの1つであり、ISO 9001:2015 の改訂は不要か、改訂するのか、あるいは破棄するのかを最終的に決定します。ISO 9001を改訂するという結論になるだろうことはほぼ確実ですが、改訂版に何が含まれることになるかはまだ不確実ですので、ISO 9001 のユーザーの考えを知るためにSC2は調査を実施するわけです。
ご自身の組織でISO 9001に準拠したQMSを設計、運用、保守している人、ISO 9001 をQMS を監査する基準として使用している人、ISO 9001を始めて使用する人、何年も使用している人、以前には使用していたが今は他の基準のために使用をやめた人、それらすべての人にとって、この調査はご自身の考え、懸念や提案をフィードバックする絶好の機会です。
この調査自体は20の質問で構成され、通常、完了するまえに10 ~ 15分ほどかかります。13か国語で提供されており、もちろん日本語版もあります (調査画面の右上で言語が選べます)。回答は2020年12月31日まで受け付けています。
どこで調査に参加できるか
ISO 9001調査には以下からアクセスできます。
ISO9001を現在活用している方、以前活用していた方、すべての方がこの調査に参加されるよう、お勧めします。
調査の質問
質問の10は、組織が現在、ISO 9001 を積極的に活用しているかどうか、及び活用されている場合は、ISO 9001の活用の目的を尋ねています。
質問の11から16は、ISO 9001が組織にメリットをもたらすかどうか、及びその程度について質問しています。
質問の17は、ISO 9001 の解釈または運用が特に難しい箇条があるかどうかを尋ねています。
質問の18では、将来のコンセプトのどれが含まれるべきと考えるかを尋ねています。
質問の19は、基準を「そのまま」残すべきか、それとも破棄すべきか、あるいは改訂すべきかを尋ねています。興味深いことに、ここには他の2つの選択肢が提示されています。「組織の成熟度に応じた、さまざまな規格を開発することを検討する」と、「その他」 (ただし、他にどのようなアプローチを採用できるかは不明ですが) です。
最後の質問では、調査に回答した人が全体に対する追加のコメントを記入できます。
ISO 9001 について
ISO (国際標準化機構) によって、開発された国際規格ISO 9001「品質マネジメントシステム – 要求事項」は、世界でもっとも認知されている規格の1つです。最新のデータによると、世界中の 1,180,654 のサイトに対して878,664の有効な認証があります。ISO 9001は、組織が以下の事項に適用するための要求事項を特定しています。
- 顧客要求事項及び適用される法令規制要求事項を満たす製品とサービスを一貫して提供する能力を示す必要がある。
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システムを改善するプロセスや、顧客要求事項及び適用される法令規制要求事項への適合の保証など、QMS の効果的な適用を通じて顧客満足を高めることを目的としている。
ISO 9001は、それ自体が主要な規格であるだけでなく、自動車、航空機、医療機器製造などのマネジメントシステムの要求事項を定義する多くのセクター規格の基礎ともなっています。ですから、世界中で何千万もの人々がISO 9001規格に基づく品質マネジメントシステムを開発し、使用していることになります。
ISO 9001は、1987年に最初に発行されたのち、経済の変化、技術の進歩、社会の動向などの課題などに対応するために、すでに4回改訂されています。ISO 9001が継続して関連性と有用性を保持していくために、ISO/TC176 「品質マネジメント及び品質保証」の2019年11月の会議の際に、ISO 9001の将来に関する今回の世界的な調査を実施することが決定されました。