労働安全衛生の新規格ISO 45002:2023 が発行されました
労働安全衛生の要求事項、ISO 45001が2018年に発行されてから、5年ほどが経過しようとしています。OHSAS 18001からISO 45001への移行期限には間に合いませんでしたが、2月13日、 ISO 45001:2018に準拠する労働安全衛生 (OH&S) マネジメントシステムの確立、実施、維持及び継続的改善に役立つ指針を提供する新しい規格 ISO 45002:2023 が発行されました。
2018年3月に発行されたISO 45001は労働安全に対する要求事項を定める、初めての国際規格です。ISO 45001にはユーザーが要求事項の意味を理解する助けとなる「解釈の手引」は含まれていますが、実際に要求事項にどう取り組むことができるかを示す「実施の手引」は含まれていません。このため、45001発行の翌年にあたる2019年9月にこの「ISO 45002 Occupational health and safety management systems — General guidelines for the implementation of ISO 45001:2018 労働安全衛生マネジメントシステム ISO 45001:2018の実施に関する一般指針」のプロジェクトが承認されました。
その後、2021年8月にDIS (国際規格草案) が登録され、12週間にわたる投票を経て、2022年8月にFDIS (国際規格最終案) へと進みました。FDISは2022年12月に投票が終了し、編集上の細かい修正ののち、国際規格ISO 45002:2023 Occupational health and safety management systems — General guidelines for the implementation of ISO 45001:2018 (労働安全衛生マネジメントシステム ISO 45001:2018の実施に関する一般指針) が2月13日に発行となりました。
ISO 45002は、ISO 45001に準拠する労働安全衛生 (OH&S) マネジメントシステムの確立、実施、維持及び継続的改善に役立つ指針を提供するガイドライン規格です。ISO 9001やISO 45001のように「shall しなければならない」という表現ではなく、ISO 19011やISO 9004と同様に、「should 望ましい」と表現されています。つまり、ISO 45002は45001の要求事項を変更したり、新たな要求事項を追加したりするものではありません。
本規格ではほとんどの箇条について、さまざまな組織がどのように要求事項を実施しているか、実際の事例が掲載されています。しかし、これは唯一の、あるいは最良の方法を示唆するものではなく、ある組織で行われた一つの方法を説明するものであるとしています。