ISO9001:設計仕様書についての協議
2020年、ISO9001を担当するISOの技術委員会176、分科委員会2(TC 176/SC 2)は、ISO9001:2015を改訂するか、そのまま変更しないか、削除するかを決定するために体系的な見直しを行いました。
ISO 9001 設計仕様書とは
ISO9001が効果的で、今の時代にふさわしく、適用可能で、ビジネス慣行や社会の期待に応え続けるためには、最新であり続ける必要があります。ビジネスや社会の環境は、新型コロナウイルス感染症の大流行や減速することないデジタルトランスフォーメーションによって加速され、急速に変化し続けています。その結果、世界は進めど、規格はそのままに留まるということであれば、規格は業界のベストプラクティスとの整合性を失い、すべてのステークホルダーにとって価値が低下してしまうという重大なリスクが存在するのです。
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ISO TC 176/SC2はこのことを認識し、ISO 9001の次の版の設計仕様書の作成を監督するタスクグループTG5を設立し、最終的に規格改訂の開始が決定されたときに、できる限り迅速にプロジェクトを進めることができるようにしました。この設計仕様書は2022年12月に作成され、2023年3月の協議期間のためにISO TC 176/SC 2のメンバー及び代表者に発行されています。
CQIとISO9001の関り
カテゴリーA リエゾンとして
CQI は、TC176 のカテゴリーAリエゾンの地位を保持しており、CQI とそのメンバーがこの規格のレビュー、維持、及び開発に貴重な貢献をしていることが認知されています。カテゴリーAのリエゾン資格により、CQIは、規格の内容や適合性に関する重要な決定を行う技術委員会や分科委員会のメンバーに代表者を任命することができます。この代表と、ISO 9001やその他の規格に関するCQIメンバーとの連絡の責任は、 CQI Standards Coordination Committee (CQI規格調整委員会) が担っています。CQIは、TG5 ISO 9001 Design Specification (TG5 ISO 9001設計仕様書タスクグループ) やTG4 Emerging Themes (TG4 新しいテーマ) サブグループなど、いくつかのISO TC 176の分科会に代表者を置いています。
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CQIメンバーとの協議
CQIは、利害関係者のニーズと期待を反映し、ISO9001の将来の発展に影響を与えることができるように、活動プログラムを開始しました。これは以下を参照して実現します。
- CQIの戦略的及び業務上の目的及び目標
- CQI の研究開発プログラム
- 及びメンバ-との協議
このプロセスの一環として、CQI は、ISO 9001: 2015 改訂の必要性、将来の改訂の優先順位,及び TC 176/SC 2/TG 5 設計仕様書の提案内容に関して、メンバーと協議します。協議の結果はメンバーに共有するとともに、2023年3月のISO9001設計仕様に関するワークショップでTC 176/SC 2に提示されます。
CQIのStandards Coordination Committee (規格調整委員会)
CQI Standards Coordination Committee は、CQIがスポンサーとなって行う規格関連の活動の戦略を調整し、指揮するために存在します。その活動には、CQIにとって重要な規格を決定し、その開発への参加を指示及び調整し、国際規格の使用に関連した製品、サービス、及び資産の開発を推奨することが含まれます。委員会の活動範囲は、CQIが製品、サービス、資産を有するものを含め、CQIにとって戦略的または業務上重要な、クオリティ及びその他の関連するマネジメントシステム規格、並びにマネジメントシステム監査規格が含まれます。
委員会は、さまざまなバックグラウンドや業界から選りすぐられた、規格のユーザー、策定者、ソートリーダー、マネジメントシステムの専門家で構成されています。