イベントレポート: クオリティの文化醸成におけるリーダーシップの役割 (前編)

ISO 9001の新しい版には品質文化についての要求事項が追加されるという情報もありますが、去る9月5日、IRCAジャパンは「クオリティの文化醸成におけるリーダーシップの役割」を開催しました。登録メンバー以外の参加者も含む47名にお集まりいただき、ワークショップ形式で活発な交流、討議が行われました。当日の内容を前編、後編の2回に分けてお届けします。
タイトル: 「クオリティの文化醸成におけるリーダーシップの役割」
開催日時: 2025年9月5日 (金) 9:30 ~ 16:00
場所: コモレ四谷タワーコンファレンス Room F (東京都新宿区)
ファシリテーター:
マイク・ターナー (Mike Turner) CQI, Head of Research Innovation (R&D責任者)
ヴィンス・デズモンド (Vince Desmond) CQI CEO
タリー・シンガー (Tally Singer) CQI Executive Director
通訳者: 中村裕子
新しいISO 9001 では、トップマネジメントがリーダーシップ及びコミットメントとして実証する事項に、「クオリティの文化」と「倫理的行動」の促進が追加される、また、組織の管理下で働く人々が認識すべき事項にも「クオリティの文化」と「倫理的行動」が追加されるという情報があります。
あるべきクオリティの文化を醸成するために必要なリーダーシップの力量とは何か、リーダーシップは文化醸成にどのような役割を果たすのか。去る9月5日に開催した本イベントでは、プロフェッションマップに基づく実践的ツールの紹介を含む講義、他社、他業種の人たちとのクラスディスカッション、グループディスカッションを通じて、クオリティの文化の概念について考察し、リーダーシップの力量がより前向きな文化的風土を築くためにどのように貢献できるかを探求しました。
セッションは以下の3つの要素から構成されていました。
1) マイク・ターナーからの理論の紹介
2) グループでの話し合い
3) 話し合いの結果の共有
お互いが学び合うことの重要性が確認され、どのグループでも活発な議論が進められました。
◆クオリティ文化という切り口の内容でしたが、組織文化全般で活用できる知見や考え方を教えていただいたように思います。また、なにより異業種の方と意見交換ができる機会として大変有意義でした。
◆QMSおよび他のMSで監査・審査に直接関わる担当者や管理者には、まだ自分の実績・成果を見直したことがない場合には、後日見直すきっかけになるのではないかと思いました。
◆今とてもフォーカスされているテーマであること。また演習を通して、多様な企業の方の多様な意見に触れられるのは、単なる学びに終わらず、有意義な時間でした。
◆はじめて対面のセミナーに参加いたしましたが、他社の方と交流することができ、大変勉強になりました。
◆ユーモア溢れる講師でかつグループワーク中心で楽しく学べました。組織の状態別の優先順位付のグループワークは社内の文化醸成チームメンバーの育成に役立つ内容であった。
◆非常に役立ち、今後の業務や活動に今回のプレゼン内容を活用していきたいです。演習の進め方なども参考にしたいと思います。Mikeさんが正解はないということを繰り返し言われていたのは討議には助かりました。発表後のコメントも全てを受入れる形で印象的でした。
◆主題である品質の文化に関して、期待していた以上に理解が深まりました。演習、グループワークが非常に効果的だったので、漠然としていた品質の文化という概念が、自分の経験や自社の状況をもとに整理することができました。
◆現場とトップマネジメントの間にいるQA部員の心構えや巻き込み方をよく理解できる内容でした。品質文化の醸成をトップも現場も理解する必要があると思います。ケーススタディが大変良かったです。
◆品質文化を構成する要素やリーダーシップの役割が体系的にまとめられており、文化を醸成するために経営層に理解いただきたいポイントについて理解を深めることができました。また、自分自身のリーダーとしての振る舞いを見直す機会となりました。
◆「クオリティの文化醸成におけるリーダーシップの役割」というテーマは非常に良かったです。望ましくない文化であっても、「この会社の文化だから変えられない」といった場面に直面することもあるため、9つの促進要因やリーダーの役割について学べたことは価値がありました。
ワークショップの内容
ファシリテーターのマイクはクオリティの文化に関するワークショップを海外でこれまでにも何回も行ってきていますが、今回の参加者には事前に興味あるトピックについて尋ねるアンケートが実施され、どのようなトピックをカバーするのかの説明の際に、このアンケートの結果が当日の内容に反映されていることが説明されました。
この続きは、「IRCA審査員/監査員」の方のみご覧いただけます。
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