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著書紹介: ISO 21500から読み解くプロジェクトマネジメント: 榎本 徹 (著)

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著書紹介: ISO 21500から読み解くプロジェクトマネジメント: 榎本 徹 (著)

IRCAに登録するQMS 審査員補の榎本 徹 氏が発行された著書をご紹介します。

書名: ISO21500から読み解くプロジェクトマネジメント
著者: 榎本 徹 (著)
発行: オーム社

『ISO 21500:2012 Guidance on project management プロジェクトマネジメントの手引』というISO 規格をご存知でしょうか。現在の版は2012年に発行されおり、決して新しい規格というわけではないのですが、今まで日本ではあまり知られていませんでした。

そのISO 21500:2012が2018年3月、JIS Q 21500:2018 としてJIS化されました。

この規格は、要求事項ではなく、手引を提供するものであり、したがって第三者認証の対象とはなりませんが、幅広い分野にわたって役立つ概念や手引を提供しています。

榎本氏の著作は ISO 21500のJIS化を機に、プロジェクトマネジメントへの理解を深めるためのガイドブックとして発行されたということです。全体は3つの章に分けられ、それぞれ、Chapter 1はISO 21500の理解を助けるための標準化、プロセスとプロセスアプローチ、プロジェクトのコンピテンシという概念についての解説、Chapter 2 はISO 21500 本文の逐次解説、Chapter 3 はリスクマネジメントと経営戦略に関する概論という構成になっています。また、全体に散りばめられた38に上るコラムでは、「認定と認証の違い」、「知識知と暗黙知」、「ブルックスの法則」、「犬小屋の更新」、「EVMのコンセプト」など、興味深いテーマのミニ知識も披瀝され、大変読みやすく、わかりやすいながらも、これ1冊でISO 21500 の概要が理解できるように著されています。

2018年に改訂された『ISO 19011:2018 マネジメントシステム監査のための指針』では、監査プログラムをマネジメントする人に必要となる可能性のある能力として、リスクマネジメント、プロセスマネジメントと並び、プロジェクトマネジメントの能力が挙げられています。また、1つひとつの監査を、1つのプロジェクトとしてマネジメントすることもできるでしょう。

事業運営においても、QMSやEMS といったマネジメントシステムの構築/移行や運用においても、審査/監査のプログラム策定や実施においても、プロジェクトマネジメントの適用は今後有用な手段として広がっていくのではないでしょうか。

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