CQI Audit SIG及びDeming SIG の日本における小委員会発足
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「隠された次元を探る」シリーズや、「デミングの原則を適用して監査員を雇う意味」、「効率的なリーダーシップが競争力の可能性を解き放つ」などの記事、Quality World に掲載された記事など、さまざまな洞察を CQI IRCAにご提供いただいているラソール・エイヴァジ (Rasoul Aivazi) さんから、現在、日本において小委員会を発足準備中の Special Interest Group (SIG) に関する記事を寄稿いただきました。
IRCAジャパンでは、CQIのSIGの活動を日本で展開するための準備を開始しました。CQIのSIGは、IRCAを含むCQIの登録メンバー同士の学びあいにおいて重要な役割を果たしています。日本では日本在住でCQI Audit およびDeming SIGの委員会メンバーであるラソール・エイヴァジ氏を委員長として両SIGの日本小委員会の設立から始めます。
SIG とは
CQI (Chartered Quality Institute) は、品質マネジメントの分野を推進する、世界的に認められた専門機関です。CQIは、その組織の中に、クオリティの仕事の中の特定の分野に興味をもつ人たちの集まりであるSIG (Special Interest Group) を置いています。これらのSIGは、ソートリーダーシップ (課題を先取りして検知し、解決策を示すリーダーシップ) を推進し、ベストプラクティスを共有し、特定の品質関連トピックに焦点を当てたコミュニティを発展させる上で重要な役割を果たしています。
SIG の運営は、CQI IRCA メンバーのボランティアからなる委員会が担っています。ボランティアメンバーは自分の時間と労力を無償で提供し、専門的な能力開発を提供するソートリーダーシップで仲間のメンバーをサポートしています。
英国CQIとIRCAジャパンは、日本の大きな潜在力と、この分野に貢献したいと願うクオリティプロフェッショナルが多数いることを認識し、「日本におけるAudit SIG及びDeming SIG小委員会 (Subcommittees of Audit SIG and Deming SIG in Japan) 」を立ち上げます。この取り組みは、日本の品質コミュニティの熱意と専門知識を活用して、品質マネジメントの成長と進歩をグローバルに支援しようとするものです。
Audit SIGとDeming SIGが重点を置く分野
ここで、さまざまなSIGのうち日本において小委員会発足が決まったAudit SIGとDeming SIGの2つをご紹介します。
Audit SIGは監査実務に重点を置き、監査手法、技術、専門的基準を改善するためのリソース、ディスカッション、サポートを提供しています。また、組織内の継続的な改善を推進する効果的な監査のベストプラクティス、原則、そして方法を取り上げています。メンバーは、監査中に直面する課題、デジタル監査などの新たなテクノロジー、監査効率を高める手法などについて活発に議論しています。
Deming SIGは、W. エドワーズ・デミング博士の品質改善、システム思考、リーダーシップに関する教えの哲学と原則に深く根ざしています。これらの哲学と原則は現代の品質マネジメントを形作ってきたものです。デミングSIGの日本小委員会では、デミング博士の哲学、今日の品質状況におけるその関連性、そして博士の原則を品質マネジメントシステムに統合する実践的な方法を探求していきます。
デミングSIGが日本において重要な意味を持つ理由のひとつは、1950年代からデミング博士の品質哲学の実現に重要な役割を果たしてきた日科技連 (日本科学技術連盟) とのつながりです。日本においてデミング博士は深く尊敬され、その影響の下、日本の品質文化が形成され、日本は品質慣行における世界的リーダーとしての地位を確立しました。
CQI SIGにボランティアとして参加する利点
今回の日本における小委員会発足にあたり、ボランティアとして運営をお手伝いいただける方を募っています。 CQI SIGの小委員会にボランティアとして参加することで、個人的かつ専門的な能力開発の機会が豊富に提供され、クオリティプロフェッショナルとして自分の興味のある分野に貢献し、仲間と協力し、品質マネジメントに関連する重要な議論に参加することができます。
主な利点には以下があります。
- ネットワーキングとプロフェッショナルとしての成長:
他のクオリティプロフェッショナル、監査員、リーダーとつながり、強いネットワークを構築できます。 - 知識の共有と学習の機会:
クオリティと監査のベストプラクティスを研究、議論、共有することができます。 - プロフェッショナルとしての信頼性と影響力を高める:
品質慣行を推進し、プロフェッショナルとして成長しようとする取り組みを示すことができます。 - リーダーシップとスキル開発:
イベントの企画、ディスカッションのリーダーシップ、小委員会のマネジメントなどを通じて、リーダーシップ、プロジェクトマネジメント、チームワーク、コミュニケーション能力を養うことができます。 - 品質コミュニティへの貢献:
より広範なクオリティの職務に大きく貢献します。
CQI SIGの現在の取り組みと機会
CQI のAudit SIGとDeming SIGの日本における小委員会は、この地域のクオリティプロフェッショナルの人たちに熱気を生み出すでしょう。進化するビジネス環境、デジタルトランスフォーメーション、デミングの哲学のような品質哲学の永続的な影響力などの要因が、こうした関心の高まりに寄与します。
品質マネジメントにおける日本の役割は常に独自であり影響力があります。製造業、サービス業、経営慣行において優れた伝統を持つ日本は、世界中で賞賛され、研究されています。日本はその継続的改善への取り組みにより、品質に関する世界的な議論において主導的な役割を果たしています。日本における Audit SIG 及びDeming SIG小委員会は、日本のプロフェッショナルと世界中のプロフェッショナルが情報を共有し、学び、協力する場を提供します。
コラボレーション、イニシアチブ、及びグローバルなつながり
日本における小委員会は、IRCAジャパンとの緊密な連携を通じて、英国の委員会と積極的に協力しています。この国際的な協力関係により、メンバーの視野が広がり、世界のベストプラクティスを日本の状況に適用することが可能になります。また、日本のベストプラクティスをより多く世界に共有することができるようになります。
デジタルプラットフォームの利用が増えたことで、参加がより容易になりました。オンラインミーティング、ウェビナー、フォーラムを利用することで、日本だけでなく世界中のメンバーがより頻繁に参加できるようになり、SIG内での協力や交流が促進されます。Audit SIG およびDeming SIG の日本における小委員会へのご参加をお待ちしております。
『日本におけるAudit SIG、Deming SIG 小委員会』参加申込フォーム
また、お問い合わせは、IRCAジャパン 竹内嘉代 (ircajapan@irca.org) までご連絡ください。
関連の説明とリンク
Audit SIG
2021年に発足した監査SIGは、保証に関するトピックを取り上げ、メンバーにとって喫緊の課題に優先的に取り組み、ベストプラクティスと最新の知識で監査員をサポートしています。最初の取り組みでは、遠隔監査と保証の将来性を探ることに重点が置かれました。
- 委員長: ウィリアム・ランキン William Rankin
- ウェブ: https://www.quality.org/sig/cqi-audit-sig
- LinkedIn: https://www.linkedin.com/groups/12576142/
Deming SIG
2002年に発足したデミングSIGは、W.エドワーズ・デミング博士の思想と、リーダーシップ、マネジメント、組織開発への新しいアプローチを今日どのように応用できるかを探求しています。本グループは、ディスカッションやイベントを通じて、学習と共有を進めています。
- 委員長: ジム・ロートン Jim Laughton
- ウェブ: https://www.quality.org/article/cqi-deming-special-interest-group
- LinkedIn: https://www.linkedin.com/groups/14066108/
IRCAジャパン
IRCAジャパンは、英国CQIの子会社として2006年に設立され、日本在住のマネジメントシステム審査員及び監査員のために、IRCA登録申請及び資格維持のためのサービスを日本語で提供しています。また、IRCA登録のためのトレーニングコースを提供する機関の認定も行っています。