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CEO ブログ: 革命的変化の足音が聞こえる

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CEO ブログ: 革命的変化の足音が聞こえる

本記事は quality.org に掲載の "There’s a revolution in the air" の日本語版です。

9月17日午前のこと、私 (Vincent Desmond, CEO CQI|IRCA) はいわゆる大企業の品質リーダーの集まりで、実に興味深い時間を過ごしました。新型コロナウイルス感染症がどのような影響を引き起こし、どのような意味を持ち、品質マネジメントシステムにとってどれほど破壊的な変化を意味する課題であるかを議論したのです。

Positioning 位置づけ

新型コロナウイルス感染症パンデミック以前に、マネジメントシステムと品質部門が上級経営層や組織の目にどのように映っていたかは、組織を支援するためにクオリティチームがどの程度求められてきているかに現れてくると言えます。時間を掛け、価値を付加する存在として自分たちを位置付けてきたチームは、自社の事業を積極的に支援することを求められるようになっています。なぜなら、仕事をどのように適応させていくかというシフト (shift 舵を切るような変化) のときに当たって、ベースラインとしてのマネジメントシステムの価値を認識しているからです。特にプロセス、ガバナンス及びオーナーシップが正しく埋め込まれている場合はそうです。

>> CEOブログ Covid Shift: 加速する変化

Agility and collaboration 
敏捷性 (アジリティ) と協力体制 (コラボレーション)

多くのクオリティチームが、ビジネスニーズ/ サプライチェーンに関する課題/ 顧客価値の要求事項の変化に合わせて、サービスを再設計しなければなりませんでした。例えば、パンデミックに対応するための特定の側面をサポートするためにクオリティの担当者を再配置すること、重要な変更やコミュニケーションを促進するためにクオリティの専門家を他のチームに配置することが必要になることもありました。変化を可能にし、異なる働き方に適応するためには、タイムリーに共有して学ぶ時間をつくることがカギとなります。これには、顧客、サプライヤー、そして第三者適合性評価機関や規制当局などの外部の組織との共有や学習も含まれます。

The assurance shift 保証に関するシフト

ほとんどの組織は、プロセス、プロジェクト、サプライヤー監査の遠隔化にシフトし、他の組織から学んだ教訓やテクニックなど有益な識見を得る一方、組織や製品に直接触れず、感じず、見ないで行うのは難しいということが指摘されています。興味深いのは、これはプロセスオーナーとのやりとりの最前線を強化し、適合を評価するための主な方法として使われてきた監査から組織が抜け出すチャンス (opportunity) であると考えられていることです。これはクオリティチームにとっても大きなメリットとなります。マネジャーやリーダーがパフォーマンスを理解し、対応するのを助けるという点で、自分たちの活動や資源を、価値を付加するものに向けることができるからです。これに関連し、クオリティチームはリーダーやマネジャーと協力するための、そして牽引力を高めるための手段として、運用上のリスクのマネジメントに焦点を当てています。

The digital shift  デジタル化へのシフト

マネジメントシステムを導入し、品質データを取得するためのテクノロジーに投資することによって、組織は新たなリスク、機会と働き方に適応するために、よりシームレスに動き続けることができます。将来を展望すると、データ収集システムが100% リアルタイムのデータを提供し、コストを削減し、復元力 (レジリエンス) を提供することにより、製品検査とプロセス保証を向上させる可能性があることを組織は認識しています。ただし、このようなシステムにも別のリスクや課題があります。例えば、セキュリティや、データ収集をどのように設計するか、またどうやって検証するのか、使用するのかに関するリスク/課題です。

ISO マネジメントシステム規格に与える影響

ISO マネジメントシステム規格は、次期改訂の段階にあります。軽微な改訂の予定でしたが、クオリティリーダーたちは、上述の新型コロナウイルス感染症による変化 (shifts)、特に変わりつつある保証の状況について、より大きな検討が必要となっていることを感じています。

クオリティの専門家の会議で「革命」という言葉を耳にすることは滅多にありません。しかし、これが一般的な感覚です。関連のコミュニティには今が大きなチャンスという気配が漂い、品質マネジメントの科学とクオリティプロフェッショナルの役割をどのように発展させていかなければならないかに関するCQI の見解を裏付ける議論がありました。

CQI では、(しばしば「品質4.0」と呼ばれる) 近未来を念頭に力量のフレームワークの改定を進めています。そして今はパンデミックが進行中ですので、これと並行して、CQI|IRCAはまもなく「破壊的変更診断ツール」を発表します。これは、新型コロナウイルス感染症による変化 (shift) を鑑み、「新しい日常 new normal」に向かって進むのに役立ちます。

Vincent Desmond, CEO CQI|IRCA

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