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これまでの日常に戻るのか、それとも未来へと戻るのか? Back to normal or back to the future?

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これまでの日常に戻るのか、それとも未来へと戻るのか? Back to normal or back to the future?

世界中の政府はさまざまな立場から、経済を活性化させ、ロックダウンの制約からの立ち直りを図っています。しかし、どこに戻ろうとしているのでしょうか。

>CQIのウェブサイト quality.org の元記事はこちらから

新型コロナウイルス感染症が組織に与えた影響はさまざまです。ある組織は活動の全面的な停止に追い込まれる一方、需要が急増した組織もあります。新型コロナウイルス感染症が広がった世界で、また、感染症を乗り越えた世界で、組織が活動する状況もまた、さまざまです。世界中の経営層は、どのように行動すべきか、頭を悩ませることになるでしょう。

私たちは、品質マネジメントの原則と実践が世界的な危機に耐え、破壊的な変化に直面したときに価値を発揮することを証明してきたことを知っています。私たち、クオリティプロフェッショナルの役割の真の価値はなかなか目に見えず、過小評価されてきましたが、私たちはこのような時代を乗り切るために、組織が真の力を発揮するさまざまなツールやテクニックを適応させ、改善し、展開するために、たゆまぬ努力を続けてきました。

CQI の力量のフレームワークは、この危機の中で価値をもたらすための信頼性の高い、強力な枠組みを提供します。例えば、ガバナンス、保証、改善に対するCQI のアプローチが、今こそ必要とされている価値を付加する3つの方法をご紹介します。

>>CQI の力量のフレームワークとは?

1. そのビジネスモデルは新しい未来に適しているか?

どのくらいの期間となるかは未だ不明ながら、新型コロナウイルス感染症と共存するようになるとき、人々が職場に、プロセスにそしてお互いに影響を与えあう方法は変わらざるを得ないでしょう。目的に適ったものであり続けるためには、ビジネスモデルは迅速に再設計される必要があるでしょう。従来の原材料やデータの追跡と同様に、人々の動きを追跡し、たどる必要性が増し、倫理的な問題も浮かび上がってくるでしょう。マネジメントシステムのような何らかの基準点なしに、必要とされるすべての変化と、新たに立ち現れる可能性のあるリスクを十分に理解することは果たして可能でしょうか。私たちはビジネスの「DNA」を理解しており (私たちはエンドツーエンドのバリューネットワーク全体を見ている数少ない職能のひとつです)、「やってみて、試してみて、修正する」という純粋に経験的なアプローチではなく、測定された体系的な方法で、この変革期において、リーダーやマネジャーを指導するために訓練され、技能を身に付けています。

今こそ、新しいビジネスモデル、システム、プロセスの開発に努め、この「新しい未来」のリスクを取り除き、正しい方向にもっていくために最適なときなではないでしょうか。

2. 自分の製品やサービスが引き続き目的に適っているかどうかを確認するにはどうしたらよいのでしょうか?

長い間、保証こそがクオリティの機能の存在意義 (レゾンデートル) とみなされてきました。そのため、監査と検査のプロセスは、保証を提供するものとして、おそらく間違いなく、過度に信頼されてきました。新型コロナウイルス感染症が登場するまでは、これらのプロセスは「直接訪問したり、会ったりする」アプローチに大きく依存していました。しかし、国ごとに対面の距離 (ソーシャルディスタンス) が異なり、海外への渡航が厳しく制限されている、あるいは禁止されている中で、監査と検査はどの程度有効に機能するでしょうか。クオリティの世界がこの問題に直面し、リモート監査という方法を適応させていることは知っていますが、製品やサービスの信頼性、規制への適合性をどの程度まで保証し続けることができるでしょうか。保証は監査のみに依るのではないということを私たちは理解しています。保証を得るために利用可能なさまざまなアプローチがある中で、どのようにリスクを評価するかを私たちは理解しています。注意深く分析し、設計することを通じて、単に監査を「オフライン」に戻すのではなく、保証のシステム全体を効果的に適応させる方法を、説明責任を負うリーダーにアドバイスすることができます。

このような状況は、私たちの専門的な力量を活用して、説明責任を負うリーダーに保証システム全体を再設計する方法をアドバイスする絶好の機会ではないでしょうか?

3. 迅速かつ効果的に変化をもたらすにはどうしたらよいのか?

多くの人は、変化をもたらすことは、クオリティ担当者の仕事であるとは考えていません。ビジネスリーダーと議論すると、変更管理はクオリティチームとは別のチームの役割であるか、管理者の仕事の一部であるという印象をしばしば受けます。しかし、クオリティマネジャーの道具袋の中には、より適切に、より早く、より安価に変化を実現するためのさまざまなツールやテクニックが入っています。私たちは、チームや個人と協力し、コーチングや指導を行い、確固とした変更プロセスを推進する訓練を受けており、混乱させたり、付随するリスクを生じさせたりしない方法で、「新しい秩序」を「古い秩序」と統合する方法を知っています。

今こそ、転機となる変化を実現するために私たちが持っているツールや手法の価値を示すべきときなのではないでしょうか?

あなたの会社の経営層は、クオリティプロフェッショナルであるあなたに助けを求めているでしょうか。あなたには十分に専門的な資格があり、専門的なスキル、経験及び知識があることを証明することができますか。これに役立つものがあります。CQI はサポートネットワークを構築しており、その中から答えを見つけることができるさまざまなCPD コンテンツを用意しています。組織が激動の時代を乗り切るために、クオリティプロフェッショナルがビジネスリーダーをどのように支援するにせよ、利害関係者は、急速に変化する不確実な状況の中でリーダーシップを発揮するあなたを求めています。新しい世界への準備、新型コロナウイルス感染症により加速する変革 (Covid shift) への準備はできていますか。


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