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国際規格の役割: よりよい世界への旅をサポートする

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国際規格の役割: よりよい世界への旅をサポートする
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 アレグザンダー・ウッズ (Alexander Woods)
 Policy Manager, CQI
 Thursday, 13 October, 2022
 英語原文はこちら

今年の「世界標準の日 World Standards Day」は、よりよい世界を実現するための共有ビジョンに焦点を当てています。ここでは、CQIのPolicy Manager であるアレグザンダー・ウッズが、よりよい、より公平な世界への旅を規格がどのようにサポートできるのか、また、規格がこの重要な役割を果たし続けるために必要な変化について考察しています。

世界標準の日

10月14日の世界標準の日*は、標準/標準化/規格の価値とその果たす役割に光を当て、祝福し、考える機会です。国際標準化機構(ISO)にとって、標準/標準化/規格は「よりよい世界のための共有ビジョン」を意味します。このビジョンを実現するために、規格がどのように活用されているかについては、多くの事例があります。

* 世界標準の日 (World Standards Day) は、1960年に国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)によって制定 されました。

国際規格は目標達成を容易にする

規格は、国連の「持続可能な開発目標」に取り組むための重要なツールの一つです。社会の不均衡に対処し、持続可能な経済を発展させ、気候変動の速度を遅らせることは、人々と地球のために正しいことを行うという、大胆かつ必要な野心的な試みです。それを実現するためには、国を越えた関係者の協力が必要です。

国際規格は、このような協力を促進するための重要なツールです。国際規格は地域や業種に関係なく、世界共通の言語、フレームワーク、ガイダンスを提供します。また、ほとんどすべてのセクター、分野、及び技術におけるグッドプラクティスのために一貫性のある達成可能なベンチマークを提供します。しかし、このように「ほとんどの人にとって、ほとんど用が足りる (最大公約数)」であることが求められる規格には、重大な課題があります。

規格は、「よい」というのはどのようなものであるかを示す一貫性のあるベンチマークを決定するため、コンセンサスと協働によって定められます。規格の開発には、専門家が集まって、規格の内容のあるべき姿を議論し、その内容についてコンセンサスを得る必要があります。もちろん、このプロセスの説明は簡略化しており、完成までには何年もかかることがあります。複数の言語や文化を持ち、利害や優先順位が異なる多様なステークホルダーの間でコンセンサスを得ることは困難な作業ですが、コンセンサスを得ることは規格開発の絶対的な核心となるものです。

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規格は変化のスピードについていけるか?

ビジネス、社会、技術の変化のペースが鈍化する兆候が見られない中、品質関連の規格も転換期を迎えているように感じられます。このような変化のスピードに、現状の規格開発のプロセスはついていけるのでしょうか?もしスピードについていけないようならば、イノベーションや改善の妨げになったり、発行されるころには時代遅れのものになってしまう危険性があります。

さらに、利害関係者のニーズ及び期待も変化しています。組織は、社会の期待、環境、持続可能性を真剣に受け止め、そのプロセス、製品及びサービスが人々や地球に与える影響に責任を持つことをますます求められています。

変革への呼びかけ

規格作成者は、開発プロセスに「誰が」関わるかを考える必要があります。自動化されたインテリジェントシステムでリアルタイムのデータを通じて保証が提供される状況では、「従来の」品質保証の専門家や監査員と同様に、データサイエンティストも品質規格の策定において必要かつ緊急の役割を担っています。品質関連の規格が適切で価値のあるものであり続けるためには、品質関連の規格を定義し、提供し、マネジメントする人々の多様化が必要ではないでしょうか。

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規格の策定におけるCQIの役割

CQIは標準化団体として高い評価を得ており、CQIの Standards Coordination Committee がこの活動を調整、指揮しています。品質、マネジメントシステム審査/監査、労働安全衛生、情報セキュリティ、食品安全などの規格を担当するISO委員会のカテゴリーAリエゾン組織です。これは、CQIがISO専門委員会の活動に直接的かつ効果的に寄与していることを意味します。CQIの Standards Coordination Committee は、CQI及びIRCAのメンバーから選ばれたボランティアと、CQI執行部の代表で構成されています。

CQIは、これらの国際標準化団体や国内標準化団体に積極的に参加しており、CQIやIRCAのメンバー、Special Interest Group、パートナーのニーズや期待を代弁する独自の機会を有しています。また、未来の働き方、デジタルにより変容するクオリティ、保証の性質の変化に関する当社の主要な研究成果も活用しています。

このことは、ISOの「旗艦」規格である「ISO 9001: 2015 品質マネジメントシステム-要求事項」の改訂に際して、特に重要になります。

ISO 9001

ISO 9001:2015を改訂するのではなく、これまで通りでよいとするという決定は、9001 規格がデジタルトランスフォーメーションの世界に適合し、すべての利害関係者に価値をもたらす品質マネジメントシステムの枠組みを提供するものであるならば、変更が必要であると結論付けた人々にとって残念なことでした。

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ISO9001は、組織的なガバナンス、保証、改善のための効果的な要求事項を提供するだけでなく、以下のことを行わなければなりません。

  • 使命、目的、及び品質をマネジメントするシステムが利害関係者に与える影響を明確に設定することを組織に要求する
  • 組織の (ビジネス) マネジメントシステムと容易に統合できる、体系的な品質マネジメントを推進する
  • 組織の役割と活動に対する倫理的及び社会からの期待に適合している
  • 人々がどこで、いつ、どのように働くか、その変化に合わせたベストプラクティスを反映し、サポートし、奨励する


最も重要なことは、規格は、最新のテクノロジーを適用及び活用することができ、ビジネスとクオリティの慣行や新しく登場した斬新なテクノロジーの活用におけるイノベーションを可能にし、奨励できるよう、時代に即したものでなければならないということです。

よりよく、より公平であり、より持続可能な世界を構築し、人々と地球のために正しいことをすることは、コラボレーションと、新しいツール、テクノロジー、実践によってもたらされる機会を活用することによってのみ可能です。規格は、前者を実現する能力を長い間証明してきました。私たちは、後者を促進し続けられるようにしなりません。


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